「ペニスが小さい」それは化学物質が関係しているかもしれないとの研究結果が報告される

人はそれぞれ身長の高低、手の大きさの違い等、様々な部分で異なります。しかし、男性器(ペニス)については「化学物質による影響を受けている可能性」がマウントサイナイ医科大学の研究で報告されました。

マウントサイナイ医科大学で環境医学と公衆衛生学で教授を務めるシャナ・スワン氏は同氏の著書(Count Down: How Our Modern World Is Threatening Sperm Counts, Altering Male and Female Reproductive Development, and Imperiling the Future of the Human Race)でプラスチックの製造に用いられる化学物質のフタル酸エステルがペニスを収縮させ、男性の生殖能力を低下させる可能性があると警告しています。この状態が続くと、2045年にはほとんどの男性が不妊症になる可能性があると指摘しています。

スワン氏の研究では、胎内のラットの赤ちゃんにフタル酸エステルを摂取させると、生まれたあとのペニスのサイズが縮んでいることが明らかになっています。また、人間の赤ちゃんであっても胎内でフタル酸エステルを摂取すると、生まれた後はペニスの大きさと相関する『肛門性器間距離』が短くなっていたことも明らかになっていたとのことです。

スワン氏の研究を検証した医師も「化学物質への暴露は生殖器の先天性欠損など男性の生殖に関する多くの障害を引き起こす可能性がある」と結論づけています。さらにフタル酸エステルの人体への影響は「不明」という立場を取っているアメリカ疾病予防管理センター(CDC)でも「一部のフタル酸エステル類は実験に用いた動物の生殖システムに影響を与えた」としています。

2017年に行われたある研究ではヨーロッパ諸国の男性の精子が40年間で50%以上低下していることが明らかになっており、このままのペースが続けば、2045年までにほとんどの男性が健康的な精子を生み出せなくなる可能性があります。