「2300ボルト超えの電圧」2923個のレモンを使ったレモン電池がスゴい

画像: YouTube (Royal Society Of Chemistry)

小学生の時代などに理科の実験などでレモン電池を作ったことがある人は「レモン1個からは大したパワーは得られないんだな」と感じた人が多かったはず。しかし、イギリスの学術機関である王立化学会(RSC)が2021年10月15日に2923個のレモンを使って大規模なレモン電池を作成し、2307.8ボルトもの電圧を生み出すことに成功したとのことです。

この実験はバース大学で材料科学の専門家であるサイフル・イスラム教授の監修のもと、イギリスのマンチェスターで行われました。今回の実験で記録された電圧はフルーツ電池で生成することのできる電圧記録でギネス世界記録に認定されており、前回の記録から1521ボルト更新することに成功したそうです。

イスラム教授は「まず、レモンの両端に亜鉛板と銅板を挿します。このとき、レモン果汁が電解質として働き、亜鉛にマイナスイオンが集まります。ここで、亜鉛板と銅板を回路で繋げると、マイナスイオンは回路を通って、銅板の方へ流れるため、電池として機能するのです」と語っています。

この実験では2923個のレモンに亜鉛板と銅板を挿し、すべて直列に繋ぐという力業で行われました。この結果、2308ボルトもの電圧を生み出すことに成功。この実験で生み出された電圧はゴーカートレースのスターター用のLEDや花火用の電源に使用されています。実際の実験の様子はYouTubeのRoyal Society Of Chemistryが公開しているムービーで確認することができます。

なお、この実験に使用されたレモンは生ごみから再生可能エネルギー生成を行うRefoodによって処理され、残ったカスは地元農家のバイオ肥料として再利用されたとのことです。

ペンギン議長の一言
レモン電池自体にクリーンエネルギー感は感じないですが、数を集めれば大きなパワーが出るという典型例ですね。