韓国のLGが「買い手がつかず」スマホ市場からの撤退を発表

韓国のSamsungと双璧を成す大手家電メーカーと言えば、LGエレクトロニクスです。一時は業界3位のシェアを獲得していた同社でしたが、昨今のスマートフォン市場で輝きを放つことができなかったこともあり「市場撤退」の決断をしたとのことです。

South Korea's LG becomes first major smartphone brand to withdraw from market | Reuters

LGが採っていたスマートフォン戦略について、証券会社のHi Investment&Securitiesのアナリストとして働くコ・ウィヨン氏は「アメリカで採っていたLGの戦略はミドルエンドと呼ばれる中価格帯のスマホを中心にラインアップしていました。このようにすることでAppleの高価格帯スマホと競合することは避けられましたが、同じ価格帯で勝負するSamsungの製品と競合してしまい、シェアを獲得できませんでした。」

ウィヨン氏が語るように、LGのスマートフォン部門は戦略的な失敗により、記事作成時点のシェアは2%ほどまで落ち込み、2015年からの6年間で45億ドル(約5000億円)の損失を計上しているのが現状です。そこで、同社は同部門の売却を検討しましたが、買い手がつかず、スマートフォン事業を撤退する方針を述べました。

スマートフォンのシェアを落とした企業はLG以外にも「Nokia」「HTC」「BlackBerry」等、多々ありますが、これらの製品はまだ販売されています。LGのように大手のスマートフォンメーカーが撤退する例はないため、事実上の大手メーカーが撤退する例は初です。

LGは2021年7月31日までにスマートフォン部門で働く従業員を別部門に移した後に事業を廃止するとのこと。その後、同社は「電気自動車」「スマートホーム」などの成長分野に資本を集中させる方針を述べています。