ビットコインなどの価格高騰により、記事作成時点では仮想通貨を掘り出すマイニングに有利になるビデオカードの需要が高まっています。この結果として、ビデオカードの供給不足と価格高騰により、本来のゲーム用途として使いたいPCゲーマーにとっては入手しづらい状況が続いています。そんな中、ビデオカード大手のNvidiaは2021年5月中旬から出荷予定のゲーミング用ビデオカードから「マイニング抑制機能」の付いたデバイスドライバが必要になると発表しました。
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Nvidiaは2021年4月29日に同社のビデオカード用の最新デバイスドライバーをリリースしました。リリース情報によると、「このドライバーは『GeForce RTX 3060 12GB』のハッシュリミッターを更新するとともに、5月中旬から出荷する製品からは必須の機能となります」とのこと。
ここに記載されている「GeForce RTX 3060 12GB」は既存製品であり、機能更新としてマイニング防止機能を導入するとしていますが、「5月中旬から出荷する製品」というのは記事作成時点で発売日が確定していないNvidiaの新製品ビデオカードとして噂されている「NVIDIA Ampere アーキテクチャ」にさらなる改良を加えたものではないかと噂されています。
画像: Nvidia
つまり、同社の2021年5月中旬から出荷される製品から「ゲーム用途」のみでの利用にしか最大限のパフォーマンスを発揮できないように機能が制限されるということ。これが実現すれば、仮想通貨マイナーの需要がなくなるため、これまで手に入れられなかったPCゲーマーがビデオカードを購入しやすくなることにつながります。
ちなみに、Nvidiaのこうした取り組みは今回が初めてではありません。同社は「マイニング抑制機能」を以前も導入したことがありますが、どういうわけか失敗に終わりました。これはハッカーの努力によって「機能」が解除されたのではなく、Nvidiaがリリースしたベータ版のデバイスドライバの中に抑制機能を解除する仕組みが導入されていたという単純ミスが原因でした。
このため、今回の取り組みが「いつNvidiaのミスによって、機能抑止が解除されてしまうのか」「ハッカーによって解除されるのか」といったことも、注目の1つとされています。