256個のCPUを「体に巻き付けて」密輸しようとした男が逮捕される

画像: HKEPC Hardware

中国広東省の珠海市と香港そしてマカオを結ぶ港珠澳大橋で働いていた税関職員が「挙動不審な」男性を呼び止め、持ち物を調査したところ、男の体に256個のCPUを巻き付けられていたことが発覚し、密輸の容疑で逮捕されるという事件が発生しました。

逮捕された男はトラックドライバーであり、2021年6月16日に体と足にIntel製のハイエンドCPUであるCore i7-10700KとCore i9-10900K合わせて合計256個のCPUを巻き付けていたとのこと。この男が身に着けていたCPUの合計金額は総額80万ドル(約8800万円)相当の価値になったそうです。

このような密輸事件は香港で相次いで起きており、2021年7月5日には輸送用コンテナの中に入っていた「2200個以上のCPU」と「1000枚以上のPC用のメモリ」「多数の化粧品」が密輸の疑いで摘発されるという事件が発生。この時に押収された物の市場価格は約400万ドル(約4億4200万円)相当の価値があるとされており、このコンテナを運び出そうとした57歳の男性ドライバーが逮捕されています。

画像: 香港海関

これらの密輸事件が多発する理由として、記事作成時点での起きている世界的な半導体の供給不足が背景にあります。この供給不足はコロナ禍や仮想通貨マイニング等により需要が急増したことで引き起こされたものであるため、中国で生産されたチップを香港に持ち込むことができれば、大々的に販売することが可能だからです。

このため、「密輸の罪で有罪となった者は最高200万ドル(約2億1000万円)の罰と7年の禁固刑」に課されるリスクを承知で捕まらなければ大金を得られることから、このような事件が相次いでおり、社会問題なりつつあるとのことです。