3Dプリンターで「住宅」が実現、5日での建設が可能に

画像: Twitter(@Tvasta_3DP)

家を最初から建設すると、多くの場合は1年以上かかってしまいます。そんな中、インドのスタートアップ企業「Tvasta Manufacturing Solutions」が3Dプリンターを用いて家を「たった5日間」で建設することを可能にしたとのことです。

Tvasta Manufacturing Solutionsはインド工科大学(IIT)マドラス校の卒業生が設立したスタートアップ企業です。同社が開発した3Dプリントによる建設に用いられる材料には「ポルトランドセメント」をベースに水分とセメント比率を低くする特殊な加工が施されたセメントが使用されているとのこと。

通常のセメントはリサイクルができないという欠点があり、混ぜ合わせたり、輸送したりするのに非常に多くの労力が必要となります。このため、Tvasta Manufacturing Solutionsが開発した独自のセメントを用いて3Dプリントする技術は「従来の建設技術の欠点」を克服することができる画期的なものとの見方もできるのです。

同社によると、今回建設した家は600平方フィート(約56平米)の平屋で、従来のコンクリート用3Dプリント技術を使用することで、5日間で実現することが可能になったとのことです。Tvasta Manufacturing Solutionsが建設した家の落成式にはインドの財務大臣を務めるニルマラ・シタラマン氏が出席しており、同氏は「インドには時間のかからない建設ソリューションが必要です。この技術を用いれば、2022年までに1億戸の住宅を建設することも、難しくはないでしょう」と語っています。

Tvasta Manufacturing Solutionsはセメントや砂、ジオポリマー、繊維を混ぜ合わせることで「独自のコンクリート」を開発することにも成功しています。これらは建築現場付近で材料を集めることができるため、コンクリートの長距離輸送の必要性が減り、環境影響を軽減することも可能であるとしています。

実際にTvasta Manufacturing Solutionsが建設した家は同社のTwitterアカウントでも公開されています。

ペンギン議長の一言
3Dプリンターを用いて家を建設する技術はアメリカやイタリア、オランダなどでも一部使われるようになっています。日本では耐震なども考慮する必要があるため、まだまだ実現は難しいかもしれませんが、災害時の仮設住宅の建設などには活かせるかもしれませんね。