アメリカの感染症研究所が「免疫不全の人は3度目の新型コロナワクチン接種が必要」と発表

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が「免疫不全の人々は3度目の新型コロナウイルス用のワクチン接種が必要」と発表しました。CDCによると、免疫不全を抱える人々はファイザーやモデルナなどの一般的なワクチンを2度接種しただけでは新型コロナウイルスに対する十分な抗体を作れない可能性があるとのことです。

アメリカでは免疫不全に苦しむ成人の人々は約700万人いるとされています。特に中等度以上の免疫不全を抱えているの多くは「臓器移植を受けた人」「がん治療を受けている人」「コルチコステロイドなどの免疫抑制剤を大量に服用している人」が該当するようです。彼らが新型コロナウイルスに感染すると重症化する可能性が高く、ワクチン接種による効果も低いとされています。

CDCが免疫不全者に3度目のワクチン接種を推奨する理由について、直近の研究結果を参考にしているようです。記事作成時点で報告されている研究結果では免疫不全の人であっても、3度目の新型コロナワクチンの接種を受けることで、同ウイルスに対する抗体ができる人が増えることが示されています。ただし、ワクチンによる抗体が増加することで、実際に免疫不全の人の予防効果につながるかどうかはまだ明らかになっていないとのことです。

今回、CDCは「免疫不全の人が3度目のワクチン接種をすべき」と発表しましたが、これには理由があります。実際アメリカにおいて、新型コロナに感染して入院するレベルの重い症状が出ている患者の99%以上が「ワクチン未接種の人」であることが明らかになっており、ワクチン接種後に新型コロナに感染して死亡した人は全員が高齢者もしくは免疫不全の人であったことも確認されています。

このため、これらの結果から総合して、CDCは「免疫不全の人」に3度目のワクチン接種を促しているものと考えられます。