2021年8月にアメリカ軍がアフガニスタンから撤退している最中に同国はタリバンに乗っ取られ、政権も奪われることになりました。その後、非人道的な扱いを受けているという人が沢山いる中、Googleはそういった人を守るため、アフガニスタン政府の関係者のアカウントを凍結したとのことです。
タリバンはアフガニスタンの政権を奪取した後、旧アフガニスタン政府関連の仕事に従事していた従業員に対して、同国の「元高官の電子メール情報」を要求していたことがReuterの報道で明らかになりました。なお、前政権のアフガニスタンは約20の省庁でGoogleのサービスを用いてメールを扱っていたため、重要なメールデータの多くはGoogleのサーバー上に保存されているのです。
メールデータの開示を要求された従業員は「彼らに情報を渡してしまうと、以前の政府で重要なポストに就いていた人たちのデータへのアクセスを許してしまう」と語り、実際にメールのやり取りを行っていた関係者など多くの身元がタリバンに知られてしまう可能性があるとしています。実際、タリバン側にこれらの情報が渡ってしまった場合には「前政権における関連省庁の従業員」「元大臣」「政府関連の請負業者」等に身の危険が及ぶことも考えられるのです。
そこで、Googleは2021年9月3日に「弊社はアフガニスタンの状況を監視しており、関連するアカウントを守るため、一時的な措置を講じました」と発表し、アフガニスタン政府関連のアカウントを凍結したと説明。これにより、タリバンが本人になりすまして、これらのアカウントにアクセスができないように対応したとしています。
なお、アフガニスタンの省庁では一部Microsoftのメールサービスも使用しているとのことですが、Microsoftは特にコメントをしておらず、どのような対応を行っているかは明らかになっていません。