「切除した睾丸は後で食べるよ」男性の去勢手術を行った無免許医師に実刑判決が下される

2020年10月にアメリカのオクラホマ州の森の中で28歳の被害者の男性に「睾丸摘出による去勢手術」を行った無免許医師の男に12年以上の禁固刑が科されました。この男は男性の睾丸摘出手術に失敗したことで、被害者に向かって「摘出した睾丸は後で食べる」と語っていたとのことです。

無免許医師のボブ・リー・アレン被告とその夫であるトーマス・エヴァンス・ゲイツ三世被告は「Eunuch Maker」と呼ばれる去勢フォーラム(記事作成時点では廃止済み)で去勢手術を希望する28歳の男性と知り合いました。被告人の2人は28歳の男性の去勢手術を行うため、オクラホマ州の南東部の森にある山小屋に連れてきました。

この手術は局所麻酔のみを使用して行われており、28歳の男性は「手術中は常に意識のある状態だった」と証言しています。男性の証言によると「手術中にアレン被告は『手術が終わったら、この睾丸は私が食べる。人食い人種だからね』と笑っていた」と捜査官に語っていたようですが、アレン被告は裁判で「そんなことは言ってない」と証言を否定しています。なお、切除した睾丸はアレン被告とゲイツ被告が使用していた小屋の寝室にある冷凍庫から発見されています。

2人の被告人と28歳の男性の間で睾丸切除による去勢手術の合意は取れていたようですが、この手術でアレン被告は手術に失敗。28歳の男性は出血が止まらなかったため、病院に直行することになりました。その後、被害者の容態を心配し、2人の被告人は病院に駆け付けたところ、その場にいた警察官に逮捕されることになりました。その後、アレン被告は起訴され「無免許での医療行為」等の罪で12年の禁固刑が科されることになりました。なお、ゲイツ被告の裁判はまだ続いており、2021年9月28日に判決が出る予定です。

なお、自発的に去勢したいというニーズがアメリカでは多いようで、様々な理由で「睾丸を切除したい」と考える人々はいるとのことです。性同一性による理由の人もいれば、単に「睾丸があることを不快に感じる」という男性もいるようです。しかし、多くの医師はトランスジェンダー(自認している性別と体を一致させる)手術のみを希望する人に対してのみこの手術を行っており、手術を受けるための手続きも複雑で手術を行うのが難しいという現実が存在します。このため「去勢手術を行ってくれる人求める」コミュニティが存在するようで、今後もこういった事例が出てくるのかもしれません。