「ビキニを履いてない!」女子ビーチハンドボール代表に罰金を科して批判を受けた連盟、シレっとルール改定してしまう

画像: Flickr(Phuket@photographer.net)

2021年7月に行われたヨーロッパ選手権に出場したノルウェーの女子ビーチハンドボール代表が服装違反を犯したとして、国際ハンドボール連盟は試合に出場した女子選手に罰金を科しました。その後、同連盟は批判にさらされてしまいました。その後、国際ハンドボール連盟は2021年10月に女子選手の服装規定を変更していたことが明らかになったとのことです。

規則が変更されるまで、ビーチハンドボールの試合に出場する女子選手は「袖のないスポーツブラ」「脚の付け根に向かって切り込まれたビキニパンツ」の着用が義務付けられていました。しかし、2021年7月のヨーロッパ選手権に出場した女子ノルウェー代表はビキニパンツではなく、ショートパンツを履いて試合に参加しました。この時、実際にノルウェー代表が着用していたユニフォームはTwitterのTradia氏が投稿しています。

ノルウェー代表選手によると、(以下ツイートにあるような)規定のユニフォームを着るのでなく、ショートパンツを選んだ理由について「生理になった際に不快に感じてしまい、プレーに集中できなくなってしまう」などの問題があるとのこと。この問題点を公にするため、規定違反であることを知りつつも試合に出場したそうです。

なお、国際ハンドボール連盟は規定違反の事実から、ノルウェーの女子ビーチハンドボール代表選手10名が「服装違反」を犯したとして、1500ユーロ(約19万8300円)の罰金を事務的に科してしまいます。しかし、男子代表は「タンクトップ」と「ショートパンツ」という服装で問題ないことから「女性差別ではないか」とハンドボール連盟だけにとどまらず、国際的に大きな議論を呼ぶこととなりました。

批判の的となっていた国際ハンドボール連盟は2021年10月に女子ビーチハンドボールのルールをいつの間にか改定。男子と同様の「タンクトップ」と「ショートパンツ」が正式な服装として認定されています。

画像: 国際ハンドボール連盟(International Handball Federation)

なお、女性アスリートのこのような服装問題は陸上競技やビーチバレー、テニス、バドミントンなどでも起きています。これらの競技は男子サッカーのように大勢の観客を集めることも大金を支払うスポンサーにも恵まれていません。このため、「多くの観客やスポンサーを呼び寄せたい」という金銭的な理由から、女子選手に露出度の高い衣装の着用を求めている現状もあり、今後もこういった問題は続いていきそうです。

ペンギン議長の一言
以前、女子サッカーのアメリカ代表選手が「男子と同じ労働を行っているのだから、(リオネル・メッシ選手のような)男子相当の給料が支払われるべきだ」と現状の待遇が差別だと発言していましたね。この事実は現状、それだけのお金を支払ってくれるスポンサーを得られていない(プレイや試合内容に魅力がないと判断されている)だけなのに「凄い発言するなぁ」と感じたのは内緒です。