ハッキング攻撃を受けたビールの醸造所が数時間稼働を停止してしまう

2021年11月9日にスペインのバルセロナにある同国第2位のビールメーカー「Damm Brewery」のエル・プラット・レブレガットにある醸造所がサイバー攻撃を受けていたことが2021年11月12日の同社の発表で明らかになりました。このサイバー攻撃により、同社のビール醸造所は数時間に渡り稼働できない状況になったとのことです。

Damm Breweryのエル・プラット・レブレガットのビール醸造所は年間700万ヘクトリットルのビールを生産している工場ですが、2021年11月9日に受けたサイバー攻撃により、数時間に渡り醸造所が稼働できない状態に陥ったそうです。同社の広報担当者は「完全に麻痺した状態だった」と語っており、発生当時の状況は看過できない悲惨な状態にあったと説明しています。

しかし、同社のIT部門の対応により、数時間後にはビール醸造所が100%稼働できる状態に回復。ビールの再生産が可能になったことも報告されています。醸造所の稼働停止中も配送業務は滞ることなく行われており、醸造所内の在庫でカバーできたとのことです。

なお、Damm Breweryは同日に受けたサイバー攻撃の内容を発表しておらず、警察への通報有無も明らかにしませんでした。記事作成時点ではランサムウェアによるサイバー攻撃の被害が多く、仮に同社のビール醸造所がこの攻撃を受けていた場合は「問題の解決のため、ハッカーに身代金を送金した」可能性もあるため、同社の対応によっては今後も他の企業などで同様の被害を受ける懸念もあります。

スペインでは2021年10月にバルセロナの大学でランサムウェアによる被害を受けたほか、2021年初めには同国の雇用機関が提供するサービスがハッカーによって破壊されるという事件も起こっています。アメリカでも2021年5月にサイバー攻撃によって、ガソリンの供給問題が発生したこともあり、このような被害報告が世界的に増加している状況です。