「Microsoftが天安門事件を隠蔽?」画像検索結果から「戦車男」を消してしまう

画像: YouTube(CNN)

Microsoftの検索エンジンといえば「Bing」ですが、この画像検索において、天安門事件」の象徴的シーンである「無名の反逆者(戦車男: Tank man(アメリカ表記))」が削除されていることが明らかになりました。しかも、検索結果の削除は奇しくも天安門広場で行われた抗議活動を中国政府が弾圧した日(いわゆる記念日)に行われました。

記事作成時点でGoogleで戦車男を表す「tank man」と検索すると、以下のような検索結果となり、「無名の反逆者(戦車男)」として知られる有名なシーン(男性が中国軍の戦車列を塞ぐ)の画像が表示されているのがわかります。

対して、Microsoft Bingで「tank man」を検索すると、戦車に乗っている男性が検索結果として表示され、Google画像検索で確認できた「例のシーン」が表示されていないことがわかります。

中国政府は「戦車男」をはじめ、「天安門事件」に関する議論や情報については国家ぐるみでアクセスを禁止するため、逐一情報の検閲と配信の遮断を行っており、中国国内ではこのような情報を閲覧することはできません。この結果だけを見れば、「中国政府はMicrosoftに働きかけ、世界的に情報ブロックをしようとしている」と感じる人がいると思いますが、そういうわけではなさそうです。

Microsoftの広報によると「今回の問題は偶発的な人為的ミスによって起きてしまったものです。弊社では問題の解決に向けて積極的に取り組んでいます」とのことで、ヒューマンエラーによって起きた問題であるとしています。実際、Bingの通常のWeb検索では「戦車男(tank man)」に関しる検索結果は記事作成時点でも表示されており、アクセスすることが可能です。

このため、今回の問題はMicrosoftがミスで引き起こしてしまったもので、奇しくも天安門事件の弾圧記念日に情報の遮断をしてしまったようでした。おそらく、この問題は近日中に改善すると思われます。

なお、戦車男のワンシーンはYouTubeのCNNチャンネルが公開しているムービーで確認することができます。