北朝鮮、ミサイルのを発射実験をするも失敗、平壌の上空で煙も確認される

画像: イメージ図(実際の様子ではありません)

北朝鮮は2022年3月16日の午前9時30分ごろに弾道ミサイルと思われる「飛翔体」を同国の首都である平壌(ピョンヤン)近郊にある順安(スナン)飛行場から発射されました。韓国軍によると、この発射実験は失敗に終わり、飛翔体の発射直後に爆発。平壌の首都上空に赤みがかったオレンジ色の煙が確認されたとのことです。

韓国軍の合同参謀本部は「北朝鮮は2022年3月16日の午前9時30分ごろに順安の飛行場から(ミサイルと思われる)飛翔体を発射しましたが、発射後すぐに失敗したと考えられます」との声明を発表。発射直後に飛翔体は爆発したと見られ、平壌の上空に赤みがかったオレンジ色の煙が上がっている様子も確認されたようです。

国際問題に関するシンクタンクの1つであるカーネギー国際平和基金のアンキット・パンダ氏によると「赤みがかったオレンジ色の煙というのはミサイルに搭載される液体燃料が燃焼したことで発生したものと考えられます。なお、この煙は人間にとって、非常に有毒なものです」と説明し、北朝鮮にとっては想定外の失敗かつ、大きな被害が出ている可能性があるとのことです。

北朝鮮は2022年に入って、これまで10度のミサイル発射実験を行っています。北朝鮮側は一部は偵察衛星の打ち上げに関連したものであると主張していますが、アメリカは「北朝鮮は(アメリカにも到達可能な)射程距離の非常に長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に向けた実験である可能性が高い」と考えているようです。

なお、今回の実験が失敗に終わった可能性が高いことはわかっているものの、どの段階で失敗したのかはわかってはいません。仮に地上付近で爆発したのであれば、飛行場付近が甚大な被害に遭うことが想定され、上空で爆発した場合は破片が人口密集地に落下する危険性もあるのです。

いずれにせよ、北朝鮮の最高指導者を務める金正恩(キム・ジョンウン)氏は今回の失敗でミサイルの発射実験をやめることはないと考えられています。北朝鮮としてはICBMを開発することで「アメリカを核攻撃可能な状態である」とアピールすれば、アメリカは北朝鮮を「脅威の対象」とせざるを得なくなります。そして、最終的に北朝鮮はアメリカに対して、有利な立場で交渉を行いたい思惑があると見られています。

ペンギン議長の一言
多くの専門家は北朝鮮がICBMを得たとしても、そこまで有利な立場にならないのではないかと考えているようですが……