「快適な死をお約束」スイスで自殺用カプセルが合法化、使用後は棺としても利用可能

画像: Vimeo (Philip Nitschke)

スイスの医療審査委員会はオーストラリアの安楽死推進団体である「Exit International」が開発した自殺用カプセル「Sarco Suicide Pods」を合法化したと発表しました。この合法化により、2022年中にはカプセルの稼働を開始する予定とのことです。

自殺幇助(自身の意思で自分の死を実現すること)は日本では倫理的にも法的にも許容されていませんが、スイスをはじめ、オーストラリアやアメリカの一部の州では合法化されており、その他の多くの国では「不治の病」「末期の病」にかかっているなどの条件を持つ人に限り認められています。

記事作成時点のスイスでは自殺幇助の手段として「ペントバルビタール」を服用する方法が取られています。しかし、薬品を服用して死後に発生する(棺に入れるなどの)処理コストの観点から若干面倒な部分が多くなっています。これに対して「Sarco Suicide Pods」を使用する場合、カプセルを使用して自殺した後はカプセル自体が棺桶として機能できるため、処理コストも低減できるそうです。

Sarco Suicide Podsは自殺幇助用のカプセルであるため、カプセルに入った人が自分のタイミングでカプセルのスイッチを入れることになります。スイッチを入れると、カプセル内に窒素が充満され、30秒以内に酸素濃度を1%程度に下がります。Exit Internationalの代表を務めるフィリップ・ニチキ氏によると「使用者は低酸素症によって引き起こされるため、パニックになることもなく、息苦しさも感じることはない」と語っており、苦しむことなく自殺できるとのことです。Sarco Suicide Podsの外観等についてはVimeoのニチキ氏のアカウントで公開されtいるムービーで確認することができます。

ニチキ氏によると、記事作成時点で現存する自殺用カプセルは2つとのことですが、現在は3台目を製作中と述べており「来年(2022年)中にはスイスで稼働できるようになる予定です」と語っていました。