「偶然?」とある高校で働いていた職員や卒業生100人以上が脳腫瘍になっていたことが発覚

画像: Flickr (Roger Mommaerts)

脳腫瘍にかかる人の数は毎年0.012%程度の割合で大多数の人がかかるような病気ではないと言われています。しかし、アメリカのニュージャージー州にあるコローニア・ハイ・スクールで働いたことのある職員や卒業生の約100人程度が脳腫瘍と診断されたことが発覚し、同校では環境調査が行われているとのことです。

同校の卒業生で環境科学者であるアル・ルピアーノさんによると「私は1989年にコローニア・ハイ・スクールを卒業し、1991年には妻のミシェル、1991年に妹のアンジェラ・デシリスが同校を卒業しており、3人とも、脳腫瘍と診断されたのです」と語っており、妹のアンジェラさんは2022年2月17日に脳腫瘍の中でも重症の部類に入る膠芽腫で亡くなったようです。

この1件からルピアーノさんは「私、妻、妹が一斉に脳腫瘍を抱えるのは偶然にしては出来過ぎだと思い、個人的に調査を始めるようになったのです」と述べ、彼が調査を開始したところ、3人が5人になり、5人が7人、7人が15人と一気に数が増え始めることになりました。記事作成時点でコローニア・ハイ・スクールの卒業生および職員として働いていた人のうち、脳腫瘍と診断された人は104人になっているとのこと。

コローニア・ハイ・スクール関係者から続々と脳腫瘍を発症した人が発見されたことで、ルピアーノさんは地元の関係者とともに原因究明を進めています。同氏は「私が憂慮しているのは(がんの転移とは無関係で発症する)原発性脳腫瘍と環境に起因する原因はただ1つであり、それは電離放射線によるものと考えています」と述べています。

地元当局は州保健局や環境保護局、アメリカ有害物質疾病登録局などに連絡して、原因調査を行っているとのこと。なお、コローニア・ハイ・スクールは検査中となるものの、調査完了の1カ月間はこれまで通り開校されており、結果が判明次第、対応を協議するようです。このため、現在も同校に通っている一部の生徒は「自分も脳腫瘍になるのではないかと不安に感じています」とコメントしていました。