果物には「(ビタミンCなどの)必須ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」「水分」を一度に補給できるヘルシーな食品として知られています。しかし、果物には糖分が含まれているため、ダイエット目的の人や糖分量を制限したい人にとって摂りすぎは禁物です。そこで、どの果物が糖質が少なくて健康的な食事の中に取り入れやすいのかイギリスのThe Gut Health Clinicで栄養士を務めるジョー・カニンガム氏が語っています。
果物は栄養価の高い食品として、バランスの取れた食生活に欠かせないものですが、種類によっては含まれる糖分量が違うことを知らない人が多いです。特に「マンゴー」「ブドウ」「バナナ」などは糖分量が果物の中でも多く含まれています。そこで、ダイエットや健康維持目的で果物を取り入れたい人は「糖分量の少ない」果物を知っておくと便利です。
1. 桃
桃は非常に甘い果物ですが、一般的な大きさの桃1個には約13グラムほどの糖分しか含まれていません。カニンガム氏は「桃はビタミンCと抗酸化物質であるベータカロチンが多く含まれており、体内の細胞の損傷を軽減するほか、免疫機能の改善にも役立つことから、健康をサポートしてくれます」と語り、糖質が少ないだけでなく豊富な栄養素で体の機能維持にも一役買ってくれると述べています。
2. イチゴ
イチゴはビタミンCと食物繊維が豊富に含まれており、一般的な大きさのイチゴ1個あたり約1グラム程度の糖分しか含まれていないのです。さらにカニンガム氏は「イチゴには様々なポリフェノールが含まれており、これらを摂り入れると私たちの体内にいる微生物によって『がん予防』や『心臓やメンタル面での健康』につながる化学物質に変化させてくれるのです」と語っており、糖質量以外に有益な点を説明していました。
3. ブラックベリー
ブラックベリーは抗炎症作用や抗菌作用を持つアントシアニンなどの有益な植物性化学物質を豊富な含んだ果物です。しかも、ブラックベリー1カップの糖分量わずか7グラムしかなく、食物繊維のほかビタミンC、ビタミンE、ビタミンKが豊富に含まれています。
4. グレープフルーツ
グレープフルーツは朝食や間食の代用品として最適なものとして知られています。実際に過去の研究では食前にグレープフルーツを半分食べた人は食べなかった人と比較して、大幅に体重が減少したという結果もあるほど、ダイエット効果も抜群であるそうです。しかし、この果物にはデメリットも存在し、カニンガム氏は「グレープフルーツには様々な薬の吸収を阻害する成分が含まれています。このため、あなたが何らかの薬を飲んでいる場合は薬が効かなくなる可能性があるので、事前に医師に相談するようにしてください」と述べています。
5. アボカド
アボカドは1個あたり1グラムしか糖分が含まれていない非常に低糖質な果物です。また、アボカドには豊富でかつ健康的な脂肪分が多く含まれており、心臓病のリスクの低下や血圧、コレステロール値を低下させる効果があると言われています。カニンガム氏は「アボカドにはカリウムとマグネシウムなどのミネラルのほか、ビタミンEも含まれており、皮膚や目、免疫系のサポートに重要な役割を果たします」と語っています。
6. リンゴ
リンゴには食物繊維やビタミン、ミネラルのほか、腸内細菌を元気にさせる約300種類のファイトケミカルが含まれています。また、一般的な大きさのリンゴ1個には19グラム程度の糖分が入っており、カニンガム氏は「リンゴには水分が豊富で、さらにソルビトールと呼ばれる果糖も含まれています。この物質は血糖値への影響が少なく、水分を腸内に引き込む効果があり、ウンチを柔らかくできるため、便秘気味の人にはうってつけです」と述べています。
7. オレンジ
一般的なオレンジには1個当たり、12グラムの糖分を含んでいますが、ビタミンCを豊富に含んでいます。カニンガム氏は「柑橘類はビタミンCが豊富で特にオレンジには体内でビタミンAに変換される化合物が含まれています。また、皮膚の健康や脳機能の向上にもつながるフラバノールなどの多くの植物由来の化学物質が含まれています」と述べています。しかし、オレンジをジュースとして飲む場合は摂取する糖分量が2倍になり、食物繊維量が3分の1に下がることも知っておくとよいでしょう。
なお、これらの糖分量の低い果物はダイエットや健康維持に最適な面もありますが、量の摂りすぎは何の効果もないため、普段の食事に程よく取り入れるのが重要です。基本的には(リンゴを例にすると)1日に2、3個を目安に、一度に全部食べるのではなく、時間帯をずらして食べるのが望ましいとされています。