画像: Flickr (University of Toronto Students for Life)
アメリカのオクラホマ州の州議会は2022年5月20日に中絶手術を禁止する州法を可決しました。これまでアメリカのテキサス州などで可決した中絶禁止法では「妊娠6週目からの」中絶を禁止するとしていましたが、今回可決したものはさらに厳しい内容となっていて「受精の瞬間から」中絶を禁止するとのことです。
オクラホマ州のケビン・スティット知事は「オクラホマ州をアメリカで最も反中絶の立場をとる州にしたい」と主張しており、今回可決した「受精直後から中絶手術を受けることを禁止する」中絶禁止法に署名し、法制化する見込みであると見られています。
スティット知事は「受精したということは『既に子宮の中に人間がいる』ということです。その人の命を守ることは当然で、一人(母親)の勝手な思いで一人(子ども)を殺すことを正しいこととは思いません」と続け、中絶手術を簡単に受けられる現状を打破したい考えであるとしています。
なお、今回可決した中絶禁止法では「レイプや近親相姦などの性犯罪で妊娠したケース」については「その犯罪が警察などの組織で正式に事件化されたもの」のみ中絶手術を受けることを許可しています。また、子宮外妊娠についても規定は定められておらず、中絶禁止の対象からは外れており、緊急避妊薬等の使用の場合の例外規則も設けられています。
さらに、中絶をほう助する者に対する罰則も定められており、今回の法律では「中絶を支援またはほう助する者に対して誰でも民事訴訟を起こすことができる」としています。また、テキサス州でも定められたようにこの法律では中絶手術を受けた患者に対して保険会社が手術費用の一部を負担することも禁じられているそうです。