なぜ、太陽系の惑星は同一平面上に存在するのか?

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学校の授業などで太陽系の模型を見たことがある人は「太陽を中心に惑星が同一平面上に位置している」ことに気づいたはずです。実際、これは教師が生徒にわかりやすく解説するために同一平面上に並べているわけではなく、本当にこのような形で存在しています。なぜ、同一平面上に惑星が存在しているのかについて、ハワイ大学マノア校の天文学者であるネイダー・ハジジポウ氏が解説しています。

ハジジポウ氏は「この疑問を解決するには約45億年前の太陽系の初期にさかのぼる必要があります」と述べています。同氏によると、当時の太陽系は巨大な塵とガスが回転する雲のようなものだったとのこと。しかも、その雲の大きさはとても巨大で(地球と太陽の間の平均距離を表す)天文単位で表すと、1万2000天文単位(約1億5000万キロメートル)に及ぶ大きさでした。塵やガスの集合体であるこの雲は「雲自体が大きくなりすぎたため、自分の質量で崩壊し、縮小し始めた」とハジジポウ氏は説明しています。

この雲は大きさが縮小しつつも、雲自体は回転したため、どんどんと平らになっていきます。わかりやすく言えば、ピザ職人がピザ生地を回転させながら、伸ばしている様子に近い状態です。生地の面積は大きくなりますが、次第に薄く平らになっていくのです。これと同じような状態が太陽系でも起こったのです。

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そして、雲の中心部ではガスの分子が集まって熱を帯び、膨大な圧力とともに水素とヘリウムの原子が融合。数十億年にも及ぶ核反応の結果、太陽が誕生します。そして太陽の成長とともに雲が崩れていき、太陽を中心とした円盤がどんどん平らになりました。

その後は太陽以外の塵や粒子が結合することで現在の惑星の形状を取るようになり、太陽系が誕生したとハジジポウ氏が説明しています。これらの天体は大きさが異なるにも関わらず、ほぼ同じ平面上に位置しており、太陽の周りを同じ方向に公転しているのです。