パワハラやセクハラに対する企業での対応は徐々に厳格化されつつありますが、世界トップ企業とも言えるGoogleにおいても、まだまだ整備されていません。この状況に怒りを覚えた1000人を超える従業員が「ハラスメント行為」に対する厳しい措置を同社CEOのサンダー・ピチャイ氏に求めたとのことです。
ピチャイ氏に直訴を行ったのはGoogleの親会社であるAlphabetで働く1013人の従業員です。ピチャイ氏はAlphabetのCEOも兼任しているため、彼らも同氏が経営する会社の従業員となります。
同社の従業員の嘆願書によると「Alphabetは職場で何らかのハラスメントを受けた人に対して、安全な職場環境を提供できていません。仮に人事部がハラスメントを確認しても、被害者を安全な状況にするための措置は講じられることはない」とのことで、職場環境に重大な欠陥があるとしています。
この嘆願書はGoogleでソフトウェアエンジニアとして働いていたエミ・ニートフェルト氏が「ニューヨーク・タイムズ」に対して同社で受けたハラスメントが関連していると考えられます。ニートフィールド氏は「人事部は私に対するハラスメントの事実を確認したにもかかわらず、何も対処せずに加害者の隣に座り続けなければならなかった」と告発しており、この訴えがAlphabetの従業員の嘆願書の作成を踏み切らせたと見られます。
Googleは従業員が提出した嘆願書に対する対応について、記事作成時点でコメントを発表していませんが、広報担当者は「従業員の問題を調査・対処する方法および告発した従業員に対する新しいケア・プログラムの導入を含め、プロセス全体を大幅に改善しました」と説明しています。
なお、過去にGoogleのスマートフォン用OSである「Android」の生みの親であるアンディ・ルービン氏も多くの従業員に対してハラスメント行為を行ったとされており、その結果として20000人もの従業員が退職したことが知られています。同氏はのちにGoogleを辞めることになりますが、同社から何らかの処罰が加えられたわけではなく、9000万ドル(約99億円)の退職金を受け取って円満に退職したとのことです。