大手ファーストフードチェーンのマクドナルドの従業員が時給の引き上げを求めて、アメリカの15都市の店舗でストライキを実施することが明らかとなりました。
アメリカではファーストフード業界での人員不足が顕著になっています。マクドナルドでも同様の事態が発生しており、一部の店舗では「従業員として働くだけ」で500ドル(約54000円)をボーナスとして支給したり、「面接に来るだけ」で50ドル(約5400円)を支給したりしています。
このように、アメリカにある各店舗では「従業員を確保しよう」と必死な状況なのですが、従業員不足が改善しない状況が続いています。この背景について、共和党の議員はアメリカの新型コロナウイルス対応の影響であるとしており、「コロナ救済法案と手厚い失業手当の保障制度により、国民の働く意欲が失われている」と指摘しています。
マクドナルドで働く従業員は「時給の最低賃金を15ドル(約1600円)に引き上げれば解決する」と考えており、「Fight For $15」の運動に参加しています。この運動の一環として2021年5月19日(マクドナルドの株主総会の前日)にアメリカの15都市でストライキを敢行することを決定しました。
なお、従業員の要求は「マクドナルドの売上」を無視した無茶な要求ではないようです。マクドナルドは新型コロナウイルスが蔓延した2020年においても、売上を大きく伸ばしており、同年は50億ドル(約5400億円)の利益を出し、その利益の80%を株主に還元しました。
カンザスシティの店舗で働くテレンス・ワイズさんは「私たちは昨年、多大な利益をマクドナルドにもたらしました。もし、私達従業員がハンバーガーやマックフルーリーを作っていなかったら、このような結果を生み出すことはなかったはずです。株主の皆さんには私達の思いを理解してほしい」と語っており、株主に大きな利益があったとしても、従業員の最低時給だけは15ドルに引き上げてほしいと訴えています。
マクドナルドの授業員によると、このストライキはロサンゼルス、オークランド、サクラメント、マイアミ、タンパ、オーランド、シカゴ、デトロイト、フリント、カンザスシティ、セントルイス、ヒューストン、ミルウォーキーなどの都市で2021年5月19日に行われる予定です。