仮想通貨「Chia」のマイニングはSSDを数週間で壊してしまうことが判明

画像: Flicker(Kenming Wang)

仮想通貨の「Chia」はマイニングにHDDやSSDを使用します。このため、ビットコインやイーサリアムなどとは異なり、マイニングに消費電力の高いビデオカードを使用しないため、消費電力量を抑えたクリーンな仮想通貨であることが売りの1つです。そんなChiaですが、仮想通貨マイニングに市販のSSDを使用すると、使用するドライブによっては数週間で破損してしまうことが明らかになりました。

2021年5月3日に取引が開始された仮想通貨「Chia」は取引開始直後には一時2000ドル(約21万7000円)に達し、記事作成時点でも1000ドル(約10万9000円)前後で取引が続いており、好調なスタートを切っています。

同仮想通貨のマイニングにはストレージを使用するため、性能自体は必要でないと感じるかもしれません。Chiaのマイニングを行うには「高い書き込み性能」と「大きなストレージ容量」が求められます。高い書き込み性能はマイニングを行う「一時的な作業領域」に使用され、大きなストレージ容量は「作業結果を保存するため」に必要です。

このため、マイニングを効率よく行うには、「一時的な作用領域」に書き込み性能の高いSSDを採用し、「作業結果を保存する領域」には大容量のHDDを使用するのが良いとされています。しかし、SSDは書き込み回数に制限があり、制限を超えると物理的に壊れてしまう特徴があります。

ここで問題となるのが、SSDの寿命です。市販されている一般的な1TBの容量のSSDの場合、約600TB分のデータ書き込みまで耐えることができます。この数字は1日あたり300GBのデータを書き込んでも、5年間は壊れない計算になります。しかし、これがChiaのマイニングとなると、大量の書き込みが必要となるため、80日程度で壊れることが明らかとなっています。

特に一般的に利用される512GBのSSDの場合は40日間しか持たないことが明らかになっています。一般的な利用方法の場合は、512GBのSSDでも8年〜10年間は使用できることから、ChiaのマイニングがSSDの寿命に及ぼす影響の大きさがわかるはずです。

このため、Chiaのマイニングで利益を得ようと考えている人はSSDの交換にかかる金額を考慮する必要があります。

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