「コロナウイルスを破壊する」空気清浄機がイギリス当局にBANされる、不当表示の疑い

画像: Neowin

イギリスの広告基準局(Advertising Standards Authority: ASA)によると、2021年6月23日にGo-Vi Limitedという会社が販売している空気清浄機「Eradicator19+」の広告が「誤解を招く」として広告の掲載を禁止する決定を下したとのことです。この空気清浄機は「コロナウイルスを破壊することが証明されている」ことを宣伝文句にしていました。

Eradicator19+の広告を読んでみると「コロナウイルス(※)の細胞を破壊することが証明されています」と書かれているのですが、※の内容には「H5N1鳥インフルエンザAとコロナウイルスに対して、効果的に作用し、H5N1鳥インフルエンザウイルスについては0.44秒以内に99.9998%減少させる効果をもっています。なお、この試験はフランス国立科学研究センター(CNRS)で行われました」と書かれていたとのこと。

しかし、記事作成時点では感染拡大が叫ばれている新型コロナウイルス(COVID-19)について具体的な明記がされていなかったため、広告基準局(ASA)は問題視しました。ASAはこの件をGo-Vi Limitedに質問したところ「Eradicator19+は空気を吸い込んだ後、紫外線(UVC)とオゾン(O3)の力で新型コロナウイルスやその他のウイルスを死滅させる」との回答があったようですが、実際にCOVID-19ウイルスに対して実験した記録がなかったとしています。

また、ASAはGo-Vi Limitedが実際に行ったとされるテスト内容についても、正確なものではないとしています。実際に行われた試験ではEradicator19+から約30cm離れた場所にあるガラス製の土台にウイルスを置いて実験を行っていました。この試験では同社が謳うウイルスの死滅効果が確認できたようですが、実生活とはかなり乖離した実験内容であったため、ASAは「正しいシミュレーション」ではない指摘したとのこと。

以上の結果から、ASAは「新型コロナウウイルスを破壊する」ことを謳ったEradicator19+は不当表示であると判断され、広告内容が禁止されました。広告内容を変更すれば、販売を継続することができるのですが、Go-Vi Limitedは記事作成時点で同製品の販売を停止しています。