「画像を加工したら修正箇所を報告せよ」ノルウェーで広告画像を規制する法律が可決、違反者は禁固刑も

SNSなどで発信力のあるユーザー(インフルエンサー)や企業などが写真を使用して商品の広告を行うことがあります。しかし、ノルウェーではその広告画像が加工され、過度に美化された写真が表示されることを問題視しており、「加工した画像には修正箇所を画像内に記載すること」を義務付ける法律が可決されたとのことです。

この新しい規制は2021年6月2日にノルウェーの「マーケティング法」の改正案として可決されました。今回可決された規則には写真の被写体となった人の「体形」や「肌」などを後から修正して公開した場合、「修正箇所を記載したラベル(ノルウェー児童・家族省作成)を貼り付ける義務」が発生するというものです。

規則内では「唇を大きく」したり「ウエストを細く」したり、「筋肉を誇張」したりした画像については写真掲載時にラベルの貼り付けが義務化されています。しかし、「明るさ」「コントラスト」「彩度」の調整のような、「より画像を見やすくする」加工については特に明記されておらず、記事作成時点ではラベル貼り付けの義務が発生するかは明らかになっていないようです。

この規制はインフルエンサーや芸能人がFacebook、Instagram、TikTok、TwitterなどのSNS上で投稿に関連して「何らかの収益を受けている」場合は全て対象となり、違反した場合には段階的に罰金が科せられるほか、最悪の場合は禁固刑にも処されることが明らかになっています。

この法律は広告写真に写っている人が「過度にスリム」「肌質が綺麗すぎる」「スタイルが良すぎる」ことで多くの子どもや若者の「美の基準」が高くなりすぎてしまい、結果的に彼らの自尊心自体を傷つけてしまうという研究結果から法制度の整備がすすめられたとのことです。

実際に活動するインフルエンサーにとっては「厳しすぎる」法律のようにも思えますが、ノルウェー国内のインフルエンサーの反応は上々で好意的に受け止められているそうです。記事作成時点でこの法律は施行されていませんが、施行時期はノルウェー国王に委ねられており、発効時期は今後決まる見込みとなっています。