インドのムンバイでは電車が扉を開けっぱなしにして走行するのが日常の光景ですが、1日何人も転落事故を起こしてしまうのも実情です。そんな中、走行中の電車から駅に降りようとした男性が降車時に転んでしまい、乗っていた電車に巻き込まれそうになるという事故が発生したとのことです。
この事故は2021年6月29日にインドのムンバイにあるボリバリ駅で発生したことをインドの中央鉄道が発表しました。情報によると、この日、走行中の電車から男性がボリバリ駅に降車しようとしたところ、足を踏み外したのか転倒。
その後、足が電車に引っ掛かり、危うく電車に巻き込まれそうになるも、近くにいた鉄道保安を担当するRailway Protection Force(RPF)の隊員により救助されたとのこと。実際にこのときの監視カメラの映像はTwitterのANI(Asian News International)が公開しているムービーで確認することができます。
#WATCH | An RPF constable saved life of a passenger who fell while trying to get down from a running at Mumbai's Borivali Railway Station on June 29. The passenger was dangerously close to the gap between the train & platform when the constable pulled him away: Central Railway pic.twitter.com/AVnYIwNQ7y
— ANI (@ANI) July 1, 2021
日本の生活に慣れている私たちから見ると、「なぜ走行中の電車がドアを全開にして走っているのか?
」と疑問に思うところですが、インド特有の文化から「これが最も安全である」として、この方式が採用されています。
インドは世界第2位の人口を持つ国であり、ムンバイのような大都市近郊は人で溢れかえっています。このため、電車の扉を開け閉めしようものなら、時間通りの運行が困難になること。そして、女性が身に着ける[**ヒジャブ**](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%96)も問題になるのです。この布は生地が薄いため、自動ドアが挟んでしまっても感知できず事故を引き起こすことがあります。こういったことから、事故防止のためドアは閉めないようにしているそうです。
なお、転落事故は自己責任で「安全に乗れそうにないなら、乗るな」という文化であることから、今回のような事故も絶えないとのことです。