「攻撃性は低いのに」ミツバチの大群に襲われて数百回刺された男性が死亡してしまう

2021年7月29日にアリゾナ州のツーソン近郊において、ミツバチの大群に襲われた3名が数百回刺され、被害者の1人の男性が死亡するという事件が発生しました。専門家によると、3名を襲ったミツバチは「基本的におとなしく」通常であれば、誰かを襲うことはないとのことです。

アリゾナ州のツーソンでミツバチの研究を行っているカールヘイデンビーリサーチセンターによると「3名を襲ったミツバチは『キラービー』の異名を持つアフリカナイズドミツバチが本来の巣を離れて別の巣を作ったことが原因です」と説明し、事件の原因がミツバチの生態によるものであるとのことです。しかし、アフリカナイズドミツバチは「キラービー」の別名を持っているものの、攻撃性自体は低いとしています。

同センターは「アフリカナイズドミツバチは大群でいたとしても、基本的に人を襲うことはありません。しかし、彼らは自分たちの巣が荒らされると、実際に荒らした張本人に襲い掛かることがあります」と述べており、安全を確保するためにはアフリカナイズドミツバチの巣から半径100フィート(約30.5メートル)離れる必要があるそうです。

今回の事故の原因として考えられているのは「養蜂家が巣箱の中で飼っていたアフリカナイズドミツバチの一部が別の場所に巣を作ってしまい、たまたま、その巣の近くにいた被害者が行った何らかの行動がミツバチの逆鱗に触れた」というもの。そこで、地元の警察署は死亡事故の報告があったあと、養蜂家たちは自身が飼っていたミツバチを駆除し巣箱を撤去を要請し、対応が完了したと発表しています。

このため、ツーソン近郊ではアフリカナイズドミツバチに襲われる可能性は極めて低くなったそうですが、まだ残っているミツバチがいるので、住民には注意喚起を行っています。なお、過去には男性がアフリカナイズドミツバチに500回以上刺される事件もありましたが、この時は死には至らなかったとのこと。アリゾナ州南部養蜂家協会は「ミツバチに刺されて死ぬ確率は雷に打たれるよりも数倍低い」と説明し、基本的に死に至るケースは稀であるとアピールしています。