科学者が語る、コスパ良く猛暑を乗り切れる「体の冷やし方」7選

2022年の夏は中国やアメリカ、ヨーロッパ諸国で気温40度を大きく上回る記録的な猛暑が問題視されています。これに対して日本では雨が降ることが多いため、最高気温はそこまでではないものの、ジメジメした嫌な暑さで困っている人も多いはず。そんな暑い季節をお金もあまりかけずにうまく乗り切るための方法をイギリスのラフバラー大学の環境生理学の教授を務めるジョージ・ハヴニス氏とニューカッスル大学の運動生理学の講師を務めるオーウェン・ジェフリーズ氏が説明しています。

1. 手や足を冷水につける

暑い季節になると、身体は皮膚に近い部分の血管が広がり、血液が多く流れる状態となります。つまり、手や手首、足、足首、脇の下など、血管の多い部分を冷却することで効率よく、体温を冷やすことが可能です。

ハヴニス氏は「これらの部分を冷却パッドや水につけて冷やす方法が効果的です」と語っており、これ以外には水泳や水風呂、水シャワーを浴びるなどの対応も考えられるとのこと。また、肌に水を直接スプレーしたり、Tシャツを濡らすといった方法も効果があるとしています。(冷たい水といっても苦痛を感じない程度の冷たさです)

2. 食事を軽食にする

食事をサラダなど軽食に置き換えることも、科学的な裏付けのある効果的な方法です。これは消化に必要なエネルギーを最小限にすることで、体内で発生する熱量が少なくて済むからです。しかし、ジェフリーズ氏は「暑い季節を乗り切るには十分な量の食事を摂ることも重要なため、カロリーや栄養バランスを考えた上で行う必要があります」と注意点を述べています。

3. 扇風機を使用する

扇風機は汗を素早く蒸発させることができるため、身体を冷やす効果が十分にあるといえます。ジェフリーズ氏は「気温35度までであれば、扇風機を安全に使用することが可能であり、エアコンよりも望ましいものです」と語っています。また、ハヴニス氏は「扇風機の前に氷を沢山いれたボウルを置けば、風が冷たく感じることができます」として、扇風機だけでは物足りないと思っている人に向けたアドバイスもしていました。

しかし、世界保健機関(WHO)によると「35度を超える状況下で扇風機を使用すると、身体に熱風をあててしまうことになる」として使用は推奨しないとのこと。また、湿度が高くて蒸し暑い状況下では扇風機を使用しても汗が蒸発せず、効果が全くなくなってしまう可能性もあるそうです。

4. 運動をしていないならスポーツドリンクでなく水を飲む

ハヴニス氏とジェフリーズ氏は2016年に行われた研究結果を挙げて、スポーツドリンクや炭酸水、コーラは水と比較して水分補給に適していないことを指摘しました(なお、同研究では脱脂粉乳や牛乳、オレンジジュースがわずかに水を上回るとの結果もあり)。

比較的、多くの人は暑い夏にスポーツドリンクを好んで飲む人もいますが、ジェフリーズ氏は「スポーツドリンクには糖分が多く入っており、運動をしていない場合、この糖分は全て脂肪に変換されてしまいます」と指摘。このため、両氏は「水道水で十分」と語っていました。また、水分補給効率の高いコーヒーを飲むというのも選択肢に入るのだそうです(水よりは若干劣るそうですが……)。

5. 喉が渇く前に飲むこと

ハヴニス氏は「人は体液の2%を失うと喉が渇き始めるので、そうなる前に水分を補給するのがベストです」と語っています。ジェフリーズ氏も「あまりに喉が渇いてしまうと、大量に水を飲んでしまうから」と指摘しており、大量に水分を口にしてしまうと大半の水分が膀胱に行ってしまい、そのまま排出されることを理由に挙げています。

水分を取らないことも問題ですが、過度な水分摂取も問題です。水分の摂りすぎは水中毒になってしまうなど、体調に影響を及ぼすこともあるので、注意した方がよいでしょう。なお、身体が脱水状態になっているかどうかについては尿の色の濃さ(色が濃いほど脱水状態)で確認することが可能です。

6. より冷たい飲み物の飲む(体調を崩す可能性あり)

フローズンのような飲み物は「身体の冷却効果がある」ことは研究で明らかになっていますが、身体に急激な温度変化を与えることで体調を崩す可能性もあるそうです。ジェフリーズ氏は「冷たい飲み物を飲むのは良いですが、胃や腸にダメージを与えない程度にしましょう。下痢になったり、嘔吐したり、ナトリウムなどの電解質を失ってしまうことになりかねません」と注意喚起しています。

7. 運動は控えめに

ハヴニス氏は暑いときの運動は「暑さ対策の特別なトレーニングをこなした人でもない限り」控えた方よいと述べています。同氏はこの理由として「暑い中で激しい運動をしていると、筋肉と皮膚の間で血流の奪い合いが発生し、最終的に熱中症になってしまうから」と述べています。

ハヴニス氏によると、定期的に運動をしている人ほど無理をしてしまいがちなためか、「おかしなことに健康な人ほど熱中症になってしまうリスクが高いです」と感想を述べています。