「囚人過多状態」の刑務所で火災、41名が死亡する大惨事に

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2021年9月8日にインドネシアのバンテン州にあるタンゲラン刑務所で火災が発生し、同刑務所に服役していた囚人が少なくとも41名が死亡し、39名が負傷する大惨事が発生しました。同刑務所は当初想定されていた収容人数をはるかに上回る囚人を収容していたため、被害が想像以上に多くなったとみられています。

インドネシアの首都ジャカルタから約40キロメートル離れた場所にあるタンゲラン刑務所には当時2000人を超える受刑者が収容されていました。同刑務所の収容可能人数は600名であることから、約3.5倍の囚人を収容していたことが明らかになっています。

インドネシアの法務人権省の広報担当者によると「火災が発生したブロックには38人しか収容できないスペースに122人の受刑者が収容されていた」と語り、火災の発生したブロックでも当初想定人数を大幅に超過した人員が押し込められていたことで、被害がより大きくなったとしています。

現地警察は火災の原因について「1972年から一切交換がされていない電気配線のショート」による可能性が高いとみているようですが、原因の究明には至っていないとのこと。同国の法務人権大臣を務めるヤソンナ・ラオリー氏は「関係当局と協力して火災の原因を調査しています。そして、今回のような惨事を二度と起こさないため、再発防止策も検討中です」と刑務所の視察時に現地マスコミに述べています。

今回の火災における死亡者数は「2017年に同国タンゲランの花火工場で発生した火事の死者数の47名」に次ぐ数字となっており、インドネシアの歴史上、2番目に大きな火災事故となってしまったそうです。