男女関係に厳しいイスラム教なのに、イランで「出会い系アプリ」が合法化される

イスラム教といえば、男女間の性行為は婚姻関係にある夫婦でのみ認められており、それ以外の関係性の場合はキスはおろかデートですら許されないルールがあります。このように男女関係においては非常に厳しい制約が課せられているのですが、イスラム教を国教とするイランで「出会い系アプリ」が合法化されたとのことです。

イランで合法化された出会い系アプリはペルシャ語で「仲間」を意味する「Hamdan」という名前のアプリです。このアプリはイスラム広報機関に属する組織で開発されてもので「AIを用いることで、永続的な婚姻関係となれる『ただ1人の妻』を見つけることができます」ということを謳い文句にしているそうです。

男女関係に厳しいイスラム教を国教とする国で男女の出会いを促進する「出会い系アプリ」が認められるのには違和感がありますが、これはイランの出生率に影響しています。記事作成時点のイランでは離婚率が急上昇しており、2020年には約31万組のカップルが結婚しましたが、その3分の1にあたる約10万組のカップルが離婚しているとのこと。2008年当時は8組中1組の割合だったため、とんでもない勢いで離婚率が上昇しているのがわかります。

そして離婚率が高いことにより、2020年の人口の増加率が1.29%に低下しています。このため、2021年3月には「2人以上の子どもを持つ夫婦」に補助金を給付する法案が可決し、記事作成時点では施行されていませんが、子供を多く持つ夫婦を優遇する制度を導入しようとしています。

また、2020年にはイランの国営病院でパイプカット(精管切除)の手術を相応の理由がない限り、受けることができなくなっています。これ以外にも女性が健康を害する恐れがないかぎり、避妊具の使用も原則的に禁止されています。このため、イランは「何としても人口を増やそう」と躍起になっているようです。