中国のドローンによるライトショー「操作ミス」で数十機が落下する事態に

画像: YouTube(South China Morning Post)

中国の鄭州市で行われたドローンによるライトショーで約200台のドローンが駆り出されました。開始当初は非常に美しい光景を演出していたのですが、数分後に数十台のドローンが落下し、このショーを見に来た数千人の観客がパニックに陥り、逃げ惑うという惨事に発展したとのことです。

事件が起きたのは湖南省鄭州市でショッピングセンターが主催したナイトイベントでした。このイベントは10月1日から始まる中国の大型連休である「国慶節」を記念して行われたイベントでコンピューター制御のドローン200機を使用した光のショーが夜空をライトアップするというものでした。

このライトショーではドローンにクワッドローターのものが採用され、ショー開始時に200台のドローンが一斉に夜空に舞い上がり、ショッピングセンターの名前を形作るところまでは上手くいきました。それから3分後に数十機のドローンがショーを放棄し地上に落下し始めました。このときの様子はYouTubeのSouth China Morning Postが公開しているムービーで確認することができます。

この映像を見ると、観客が悲鳴を上げながら、落下するドローンから逃げたり、隠れたりしている様子を確認することができ、一部のドローンは駐車中の車に衝突することもありました。地元のメディアのインタビューに応じた観客は「このイベントには約5000人が集まり、その多くが子供でした。奇跡的に誰も怪我をしなかったことが不幸中の幸いと言えます」と語っています。

イベント主催者は今回の事故について「ドローンの操作ミス」が原因で発生した可能性が高いと地元警察に説明しているとのことです。

ドローンによるライトショーは近年、中国国内で「環境に優しい」という理由で注目を集めており、企業や地方自治体がキャンペーンや祝賀行事に利用されることが多くなっています。人の頭上でドローンを安全に飛ばすのは難しいようで、2021年1月には重慶のショッピングモールが主催したイベントで100機近くのドローンが「技術的な不具合」で建物に衝突してしまうという事件も発生しており、記事作成時点では安全性に課題が残っているようです。