「あの家に住みたい」取り壊し予定だった家を海上に浮かべて別の土地に移動させた猛者が登場

画像: Facebook(Keith Goodyear)

カナダのニューファンドランド島に住む夫婦が一軒家を丸ごと持ち上げた後、海上に浮かべて別の土地に移動させて、無事作業を完了するという、とんでもない引越しを実現したとのことです。

ニューファンドランド島在住のダニエレ・ペニーさんとカーク・ラベル夫妻は同じ島内にある町「マッキバーズ」にある「築100年の家に住みたい」と考えていました。しかし、この夫婦はその家が建っている土地は所有しておらず、どうしようか悩んでいたそうです。すると「所有者が築100年の家を取り壊して、新しい建物を建設しようとしている」ことを夫婦は聞きつけることになりました。

そこで、ペニーさん夫妻は家の所有者と交渉し、築100年の家自体を引き取ることに成功しました。その後、所有者の土地から家を移動させるための方法を模索しましたが、陸路の移動は周辺の電線に引っかかってしまうことから断念。そこで、この夫婦は近くの海上に家を浮かべて約0.5マイル(約800メートル)の距離を移動させて、残りの距離を陸路で移動するプランを立てて、実行することにしました。

この家には海岸線まで運ぶために「車輪付きの鉄骨」を用意し、さらに海上に浮かべるため、プラスチック製の28個の樽を底部に設置しました。この方法は1960年代に道路が発達していない時代に行われていた「家の水上移動」で使われた方法とのことでした。しかし、水上での移動はスムーズにいかず、家の一部に海水が入り込むという事態が発生。当初、3隻のボートでの移動を予定していましたが、沈んだ部分をなんとか浮かせるため、別のボートを手配しました。実際に家の引越しのため、海上を移動している様子はFacebookのKeith Goodyearのアカウントが投稿しているムービーで確認することができます。

その後、目的の土地まで無事移動できましたが、家には海水が入り込んでおり、乾くまでは居住できない状態となってしまいました。しかし、ペニーさん夫妻は「新しい家を建てた方が安上がりだったのでしょうが、過去の歴史にもあった『引越し方法』の再現に参加できたことは素晴らしいですし、一生の思い出にもなりました」と語っており、今回の大移動は満足だったと述べていました。