元飛行訓練学校の従業員、管理システムをハックして「整備不良の飛行機」を飛行可能と偽っていたことが発覚

26歳の元従業員の女性が飛行訓練学校の管理システムをハッキングしていたことが明らかになりました。彼女は訓練学校内にある「整備に問題がある」飛行機を「飛行可能」の飛行機と書き換えることで、同校に仕返しをしようとしていたとのことです。

メルボルンにある飛行訓練学校「Melbourne Flight Training」で働いていたローレン・リド被告は同校が「父親を解雇した」ことを受けて、2019年11月をもって退職していました。その数ヶ月後、彼女は飛行訓練学校のシステムをハッキングし、同校の訓練用飛行機の記録を削除したり、変更したりして、大事故を引き起こすことで仕返しをしようとしたとしています。

同校のCEOを務めるデレック・ファロン氏は2020年1月17日に警察に「飛行機の管理アプリ『Flignt Circle』のアカウントにログインしたら、何者かに飛行機の整備情報等が消されているようだ」と通報。その後のメルボルン空港警察の調査で「本来飛行してはいけない『整備不良の飛行機』が意図的に『飛行可能な飛行機』に書き換えられていた」ことが明らかになったとのことです。

その後も警察の調査は続き、同アプリにログインされたアカウントのIPアドレス情報が「リド被告の実家のもの」と一致していることが発覚。リド被告は逮捕され「コンピューターの不正使用」「コンピューターシステムまたはネットワークシステムへの不正アクセス」の罪で起訴されました。

リド被告は自身が飛行訓練学校で働いていた際の役職である「フライト・オペレーション・マネージャー」で得た知識を使用して、ハッキングを試みたと見られており、今回不正アクセスが確認されたアカウントは現在の担当者のものが使用されていたことが明らかになっています。このため、彼女がどのようにして「現職のアカウント情報を手に入れられることができたのか」など不明な点が多く、再発防止策を立てる上でも、この裁判で彼女の犯行方法を明らかにしてほしいものです。