「女性のドラマ出演NG」タリバンがテレビドラマ放送に関する新たなガイドラインを制定

2021年8月にアメリカのバイデン大統領の指揮により、アフガニスタンに駐留していたアメリカ軍が撤退した直後、反政府武装組織のタリバンが政権を奪取しました。タリバン政権により、アフガニスタンに住む女性の人権を蔑ろにされるのではないかとの危機感が指摘されていました。そんな中、タリバンは「アフガニスタンで放送するテレビドラマに女性の出演をNGとする」ガイドラインを発表し、女性蔑視の風潮をますます強めているとのことです。

このガイドラインはアフガニスタンの勧善懲悪省が策定したもので、8つの新しい指示が記載されています。ガイドラインによると「女性が出演するテレビドラマの放送禁止」の他、「イスラム法であるシャリーアの原則に反する外国映画や国内映画の禁止」「男性が体の一部(本来衣服に覆われている場所)を露出することの禁止」「宗教を侮辱したり、(アフガニスタンとしてあるべき価値観に反する)歌番組やコメディ・娯楽番組の放送禁止」が記述されているとのことです。

アフガニスタンは2001年のタリバン政権崩壊以降、20年間の間に同国のメディア産業は飛躍的に成長。トルコやインドの海外ドラマやアメリカライクな歌番組やミュージックビデオ配信など、多様性に富む番組が放送されるようになりました。

タリバンは2021年以降の新政権では「人権に配慮した統治を行う」と主張していましたが、そのような状況にあるにもかかわらず、今回発表されたガイドラインは女性の就労や就学を禁止していた2001年以前の前タリバン政権時代の統治を復活させようとしているようにも見えるものです。

勧善懲悪省の広報担当を務めるハキフ・ムハージル氏は「今回発表したものはあくまでも規則ではなく、宗教的なガイドラインを示したものである」と述べています。しかし、アフガニスタンでは2021年8月にタリバンが政権を奪取して以降、少女や若い女性の通学が制限されており、授業を満足に受けられない状況が続いており、今後も女性蔑視とも取れる強い制限が課されていくのではないかと懸念されています。

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