「絶滅してなかった!」超希少種のピンクハンドフィッシュの生存が22年ぶりに確認される

画像: BBC

オーストラリアにしか生息していないと見られているピンクハンドフィッシュがオーストラリアのタスマニア州の沿岸で目撃されました。ピンクハンドフィッシュが目撃されたのは1999年にタスマニア沖のダイバーによって目撃されて以来であり、22年ぶりとのことです。

ピンクハンドフィッシュはオーストラリア南東部沿岸に生息している魚でヒレが発達しており、手のように扱えるのが特徴です。このため、ピンクハンドフィッシュは泳ぐこともできますが、海底をヒレで歩くことができます。生きている姿が確認されたのは1999年が最後でそれまで4回しか目撃されていませんでした。

しかし、オーストラリアの研究者は2021年初頭に海洋公園で深海を撮影した映像にピンクハンドフィッシュが写り込んでいたことが確認されました。この映像を撮影したカメラは水深150メートルのポイントに設置されたもので、様々な魚介類が入り乱れている中、小さなピンクハンドフィッシュが周りの魚やエビを避けるように泳いでいる姿が目撃されました。このときの様子はBBCが公開している映像で確認することができます。

今回の映像が確認されるまで研究者の間で「ピンクハンドフィッシュは浅瀬に生息する種」と考えられていましたが、水深150メートルに生息していたことが確認されたことで、その考えを改めることになったそうです。タスマニア大学で海洋生物学の准教授を務めるネヴィル・バレット氏は「この発見はピンクハンドフィッシュの生存に希望を与えただけでなく、生息場所についても、これまで考えられていたよりも広い地域に分布している可能性があります」と語り、エキサイティングな発見だと述べていました。

バレット氏は「今回の映像は生息地だけでなく、ピンクハンドフィッシュの大きさなどの情報を得られたことで大変嬉しく思っています」と続けていて、今回の映像は貴重な発見だと説明していました。