Intelがファームウェアアップデートを再起動なしで行える「PFRUT」を準備中、まずはLinuxから

コンピューターのマザーボード上の機器を制御するために使用されるファームウェアは脆弱性などの問題が確認されるとアップデートすることが求められます。しかし、記事作成時点でPC・サーバー用のファームウェアであるUEFIBIOSのアップデートを行うにはコンピューター自体の再起動が必要でした。そんな中、IntelがLinux向けに再起動なしでファームウェアアップデートを可能にする「PFRUT」を準備しているとのことです

サーバー用途のコンピューターは「一般的に電源停止を自由に行っても良いという使い方」がされるケースは非常に乏しく、緊急時を除き、コンピューターの再起動等のサービス停止が発生するものは「ユーザー利用されていない時間帯」に行われるものです。

しかし、大きな脆弱性が発見された場合は適用が遅れてハッキング等の被害を受けてしまったり、従業員に時間外勤務を行わせることによる肉体的・精神的負担や人件費(残業代や夜間勤務手当など)が多くかかったりという問題もあります。

そこで、今回Intelが準備しているというPFRUTは本来OSを停止しないと行えないマザーボード上のソフトウェアであるUEFIやBIOSのアップデートをすべてOSが代行するというもの。このため、サービス停止を意識する必要がなくなり、サービス稼働中でもオンタイムでファームウェアの更新を行うことが可能になるのです。

PFRUTは一般的なWindowsやLinuxでBIOSアップデートする方法と非常によく似ており、USBメモリ等を介してマザーボードから直接更新を行うのではなく、OSを通してアップデートを行います。しかし、現行方式ではOSが再起動前に新しいBIOSをマザーボードに連携するだけなのに対して、PFRUTではBIOSのアップデートプロセス全体を管理する形をとるようです。

PFRUTは記事作成時点ではファームウェアのオンラインアップデートのニーズが最も高いと考えられる「サーバー専用の機能」としてLinux向けに提供され、Linux Kernelの5.17から提供される見込みとされています。

ちなみに、一般用途のPCやWindowsへの提供予定があるかについては記事作成時点で不明とされています。