Microsoftが「Internet Explorerのサポート終了」を発表、登場から26年の歴史に幕を下ろす

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Microsoftは2021年5月19日に「Internet Explorer 11を2021年6月15日にサポートを終了する」を発表しました。従来のInternet Explorerの機能は既にMicrosoft Edgeに取り込まれていることから、サポート終了後も同ブラウザを使いたいユーザーはEdgeを利用することを推奨しています。

Internet Explorerは1995年にMicrosoft Windows 95用の拡張用ソフトウェアとして登場し、以降はWindowsの標準ブラウザとして定着することとなりました。以降はWebブラウザシェアが最盛期で95%を超えたこともあり、Internet ExplorerはWebブラウザのデファクトスタンダードとしての位置を確立しました。

2005年にGoogle ChromeやMozilla Firefoxのような拡張機能を導入できるWebブラウザの登場とともに、Internet Explorerはシェアが落ち始め、2010年には全体の60%程度に低下。その後、2014年にWindowsの後継WebブラウザとしてMicrosoft Edgeが登場すると、乗り換える人の影響もあってシェアが急落し、Google Chromeにトップの座を譲る形になりました。なお、2020年時点でInternet Explorerのシェアは4位となっています。

Microsoftは「Microsoft Edgeのリリース」とともに、設計が古く脆弱性の数も多かったInternet Explorerの開発を縮小。同社はMicrosoft Edgeに注力するようになります。その後、Windows 10のリリースに合わせて、Internet Explorerの開発自体が終了し、ブラウザの機能は全てEdgeに取り込まれるようになりました。これに合わせてMicrosoftはInternet Explorerの使用率が高い企業ユーザー向けに「今後はInternet Explorerを使用せず、どうしても使いたい場合はMicrosoft Edgeを使用してください」とのコメントを出していました。

実際、Twitterなどの多くのWebサービスでもInternet Explorerのサポートを終了しており、記事作成時点では同ブラウザでしか機能しないWebアプリケーションを利用している企業のみで使用されているのが現状。なお、Microsoft Edgeには「IEモード」が搭載されており、Internet Explorerでしか動作しない古いWebアプリケーションを実行することが可能です。このため、Microsoftは2021年6月15日をもって、Internet Explorerのサポートを完全に終了することを決めました。

なお、Microsoft Edgeの「IEモード」は少なくとも2029年まではサポートする予定としており、旧態依然のアプリケーションを使用している企業は同年までに入れ替えを検討する必要がありそうです。