「なぜいつもと違う方法で測定を?」スキージャンプ混合団体に出場4選手がスーツの規定違反で失格した問題に各国激怒

画像: Flickr (Vegar Samestad Hansen)

2022年2月4日に開催された北京オリンピックで2月7日にスキージャンプ混合団体の種目が行われました。オリンピック初となった競技ではスロベニアが金メダルを見事に獲得しました。この競技では日本、オーストリア、ドイツ、ノルウェーの4選手(いずれも女子選手)が競技スーツの規定違反となり、ジャンプ記録が無効となるハプニングが発生。しかも、スーツの測定方法が選手がこれまでに経験したものとは異なるものだったとの証言をした選手もいたとのことです。

この競技中、スキージャンプ女子ノーマルヒルで銀メダルを獲得したドイツのカタリナ・アルトハウス選手がスーツ違反で失格となり、同国は予選敗退。日本、オーストリア、ノルウェーは決勝に進出するも、高梨沙羅選手、ダニエラ・イラシュコ・シュトルツ選手、アンナ・オーディン・ストロム選手がスーツの規定違反で失格となったことで、それぞれ4位、5位、8位の結果で終わってしまいました。

ドイツチームの監督を務めるシュテファン・ホルンガッハー氏は「全くもってありえない話だ。(アルトハウスを除き)3人の女子選手までも失格となった。いつもワールドカップで優勝するなど実績のある選手が4人もですよ」と述べました。同氏はアルトハウス選手について「彼女はノーマルヒルと同じスーツを着ていたのに何の説明もなかった」と語り、大会の運営そのものに問題があることを示唆していました。

画像: Flickr (Ross Dunn)

また、ノルウェー代表のシリエ・オプセス選手は「審判はいつもの女子スキージャンプと全く違う方法でスーツの計測をしたんです」と語っており、今回行われた抜き打ちでのスーツ測定方法が彼らが普段ワールドカップで経験しているものとは違っていたと証言。女子選手が本来受けるべきスーツの測定方法が根本的に違う可能性を指摘していました。

同チームの監督を務めるクラス・ブレデ・ブラーテン氏は「(今回の事態について)本当に言葉が出ません。疑問に感じるのは『なぜ女子選手だけが(しかも大量に)失格になったのか?』という点です」と述べ、今回の問題はスポーツの公平性においても疑問を投げかけていました。

スキージャンプの競技において、失格者が出ること自体は珍しいことではありませんが、競技中に4人もの失格者が出るというのは異例中の異例とのこと。このため、オーストリアのマヌエル・フェットナー選手、カナダのアレクサンドリア・ルーティト選手は「ルールを明確化してほしい」と語ってしました。