2022年2月24日にロシアがウクライナ侵攻を開始してから、記事作成時点で約2カ月が経過しようとしています。この間にロシア軍は首都キーウ(キエフ)から撤退。しかし、依然としてウクライナ東部のドンバス地域では激しい戦闘を繰り広げられています。そんな中、アメリカ国防総省はロシア侵攻に対抗するウクライナに軍事支援を行うため、ミサイル一体型のドローン兵器を600機派遣することを決定したとのことです。
このミサイル一体型のドローンは戦場の上空を旋回し、ターゲットを捕捉すると目標物に向かって攻撃するミサイルとして機能する「徘徊型兵器」と呼ばれるものです。アメリカ国防総省はウクライナに8億ドル(約1011億円)の軍事支援を行うことを決定しており、この中に「ミサイル一体型ドローン」も含まれています。なお、今回ウクライナに派遣されるドローン兵器はAeroVironment社製のものとのことです。
実際に派遣されるドローン兵器がどのようなものかについて、同社は明らかにされていませんが、同社製のミサイル一体型の特攻ドローンの概要についてはYouTubeのEngineerReact
が投稿しているムービーで確認することが可能です。
今回のような徘徊型のドローン兵器は安価に入手でき、装甲車に大きなダメージを与える能力も持っているのも事実。このため、ウクライナ軍はロシア軍との戦いにおいて、小型の商用ドローンやトルコの大型の軍用ドローン「バイラクタル TB2」まであらゆるタイプのドローンを使用しています。
このようなことから、現代の戦争ではドローン兵器の立ち位置がかなり重要になっている状況です。だからといって、これまでの戦争で使われていた兵器が時代遅れというわけでもないようです。アメリカ国防総省はウクライナに対して、ドローン兵器のほか5000万発の弾薬、16機の軍用ヘリ、18基の榴弾砲、携行式のミサイル兵器「ジャベリン」を5500基、200台の装甲兵員輸送車、14基の対砲兵レーダー、75000着の防護服とヘルメットも輸送したことを明らかにしており、これまでに使用されていた兵器類も大量に送っていることから、これらも重要な位置づけであることを認識しているようでした。