「大統領のツイートを削除した」ことがナイジェリア政府の逆鱗に触れ、Twitterが禁止に

ナイジェリア政府は2021年6月4日に「Twitterがナイジェリア転覆を目論む人々によく使用されている」として、Twitterへのアクセスを禁止にする措置を行いました。実際は2021年6月2日にTwitterがナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領のツイートを削除した経緯があり、この報復措置としての対応ではないかと見られています。

Twitterが削除したブハリ大統領のツイートは1960年代後半に起きた内戦に言及したもので、記事作成時点でナイジェリア政府と対立している「分離独立派」を批難するものでした。Twitterはブハリ大統領のツイートに「虐待的な内容」が含まれていたらしく、サービスのポリシー違反として削除していたようです。

しかし、その2日後にナイジェリア政府は突然声明を発表し、Twitterが「テロ活動の温床である」として痛烈に批判し、Twitterへのアクセス禁止にする措置を行うことを発表しました。これにより、記事作成時点ではナイジェリア国内からTwitterへのアクセスが遮断されている状態です。

なお、多くのナイジェリア人はVPNを使って、ナイジェリア国内のアクセス制限を迂回していることが明らかになっています。ナイジェリア政府はこの状況を知っているのか、記事作成時点でTwitterを使用しているユーザーを逮捕・起訴するように当局に命じたことも明らかになっています。

Twitterはナイジェリアでのアクセス禁止について、「自由でオープンなインターネットアクセスが現代社会において必要不可欠な人権のひとつです。私達はナイジェリア国内でTwitterを利用して世界中の人とのコミュニケーションを図っている人々のために、アクセス禁止を解除するように対策を講じていきます」とコメントしています。