アメリカでロブスター漁を行っていた漁師のマイケル・パッカード氏が2021年6月11日にザトウクジラに飲み込まれてしまうという事故が起こってしまいました。同氏は数十秒間はザトウクジラの口内にいたそうですが、その後、異物を感じたクジラが自ら彼を吐き出したため、一命をとりとめることができたそうです。
パッカード氏はマサチューセッツ州のプロビンスタウンにある沖合で素潜りによるロブスター漁を行っていたところ、突如として視界が暗闇に覆われてしまったとのこと。このとき、同氏は「やばい、ホホジロザメに襲われた」と感じ、その後、噛み砕かれる激痛に襲われるものと思っていたのですが、彼を襲う衝撃はありませんでした。
パッカード氏が周りを確かめると、歯がないことを確認し「そうか、クジラに飲み込まれたのか。死んだな」と思い、結局生き延びることは困難だと諦め、家族のことを考えていたそうです。しかし、このクジラは「体内に異物がある」と感じたのか、水面に戻り、パッカード氏を吐き出しました。
この結果、同氏は空中に放り出され、水に叩きつけられてしまいました。この状況を見た船員がパッカード氏を救助し、一命をとりとめることに成功。しかし、パッカード氏はこの事故の影響で傷だらけになったようですが、いずれも軽傷で骨折はないとのことでした。
ザトウクジラは口を大きく開けて、魚などの獲物をできるだけ多く食べようとしますが、今回のパッカード氏が飲み込まれるような事態が発生するケースは非常に稀であると言えます。このため、ザトウクジラも意図して人間を飲み込んだわけではなく、クジラ側にとっても事故だったと見ている専門家が多いようです。
