多くの登山家が掲げる夢の1つに「エベレスト登頂」があります。そんな夢を追って、エベレストにやって来た中国人登山家にとって「とんでもない事態」が発生しているようです。どうやら、記事作成時点においてエベレストで新型コロナウイルス感染が深刻な状態となり、中国が下山者の帰国を拒否。家に帰れない登山家が大量に生まれているとのことです。
記事作成時点のネパールではエベレストの登山者が集まるベースキャンプ含め、新型コロナウイルスに感染する人が急増しています。その陽性率は24%以上に上り、率の高さでは世界最高水準となってしまいました。この結果として、中国はエベレストから下山した人の帰国を受け入れない水際対策を行っており帰国できない中国人登山家が相次いでいるようです。
ネパールからの帰国を拒否されている登山家には2021年5月に女性でエベレストを最速登頂記録を達成したツァン・インフン氏をはじめ数十人以上にのぼるとのこと。ツァン氏は「現時点で『家に帰る』のは絶望的な状況です。おそらく、今からエベレストを登頂する方が簡単だと思います」として、帰国する見込みすらない状況にあることを語っています。
ネパール政府によると、中国からは週2便だけは飛行機を受け入れる許可を出しているそうですが、中国からの飛行機の発着は一切なく、中国人登山家は延々とネパールに閉じ込められている状況です。なお、ほかの国からエベレスト登頂を目指してやってきた登山家はすでに帰国済みとなっています。
ネパールの中国大使館は「中国からの飛行機の発着がないこと」について、特にコメントは行っていません。このため、今後しばらくはこの状況が続く可能性があり、中国人登山家たちはネパールにとどまり続けることを余儀なくされてしまうと考えられています。