有機ELモデルのNintendo Switchの価格が高い理由は「利益を多く得るため」との報道に任天堂が真っ向から否定する

2021年7月6日に任天堂が発表した新型のNintendo Switchは有機ELディスプレイの搭載とストレージ容量の増加が主なアップデート内容となっており、性能自体の向上は行われていません。それにも関わらず、現行モデルより5000円ほど高い任天堂の価格設定にBloombergが「本来なら原価が10ドル(約1100円)程度のものを入れるだけなのに、この価格設定にしたのは任天堂が利益率をただ高めたいからだ」と報道しましたが、任天堂は真っ向から否定するコメントを出しました。

Bloombergは業界調査会社「DSCC」のアナリストである田村喜男氏の調査結果から原価が約1100円程度であるとしています。田村氏によると、新型Nintendo Switchに搭載されているSamsung Display製の7インチの有機ELディスプレイは1台あたり3~5ドル(約330円~約550円)、内蔵ストレージを64GBに増量することで3.5ドル(約385円)、これ以外にその他スタンドやLANポートなどの付属部品で数ドル(約数百円)程度上乗せられるとのことです。

原価レベルで見れば、ざっくり見積もって10ドル(約1100円)程度のコスト増となるのですが、新型のNintendo Switchは現行モデルより5000円ほど高くなっており、製造にかかる人件費部分は現行モデルと大差ないと思われることから、Bloombergは「ただただ利益率を高めるための値段設定だ」としているのです。

この報道が出た直後、任天堂はTwitterにて「 2021年7月15日(日本時間)のニュースでNintendo Switch(有機ELモデル)の利益率がNintendo Switchに比べて高くなるとの報道がありました。投資家の皆様およびお客様に正しくご理解いただくため、この報道が誤りであることを明らかにいたします」とツイートし、Bloombergが出した報道を真っ向から否定しました。

しかし、任天堂は新モデル1台にかかる利益率が現行モデルと比べて、どのように変動したかなどの詳細なレポートを出しているわけではないため、「報道内容が事実と異なる」ということを示すという態度をとっただけです。このため、実際の利益率の変動具合については今後の任天堂が報告する決算資料で明らかになると思われます。

なお、任天堂は報道を否定するツイート以外にも、性能向上版のNintendo Switchの噂についても言及しており、「現時点で新モデルをリリースすることはない」というツイートも行っています。