動物園で新型コロナのクラスター感染が発生、感染者は11頭のライオン

アメリカのコロラド州にあるデンバー動物園で新型コロナウイルスのクラスター感染が発生しました。動物園の関係者によると、同動物園で飼育されている1歳から9歳まで少なくとも11頭のライオンが新型コロナウイルスのデルタ株の陽性反応が出たことが当局で確認されたとのことです。

デンバー動物園で生命科学部門の主任を務めるブライアン・オーコン氏は「新型コロナウイルスに感染した大型のネコ科動物は(アメリカ)国内の動物園でも多数発生しており、当園では今回の感染が確認されるまでは2頭のトラのみが感染していたのです」と語っています。同氏は「最近、大型のネコ科動物が新型コロナに感染した動物園とコンタクトを取っており、私たちにそのノウハウも教えてもらっています」と続け、11頭のライオンの容態は回復傾向にあるようです。

この動物園では当初2頭のトラが新型コロナウイルスに感染していましたが、ちょうど2週間後に同園で飼育されていた他11頭のライオンが「せき」「くしゃみ」「鼻水」の症状が発症していることが飼育員によって確認されることになりました。2021年10月25日には、これらのライオンに対して「鼻腔ぬぐい液」による検査が実施され、新型コロナウイルス(デルタ株)陽性であると診断されたそうです。また、デンバー動物園のTwitterアカウントでも11頭のライオンが新型コロナウイルスに感染したことを報告しています。

ライオンが新型コロナウイルスに感染した経路について、オーコン氏は「新型コロナウイルスに感染し無症状だった飼育員などから感染した可能性もありますが、どのような経路で感染することになったのかは現時点で不明です」と語り、感染経路については調査中であるとしています。また、ライオン11頭のクラスター感染と、その2週間前に発生したトラ2頭の感染も別の場所で飼育されていたことから「2つのグループに明確な関連性はない」と結論付けられているようです。

デンバー動物園で新型コロナ感染が確認された11頭のライオンと2頭のトラについては新型コロナウイルスの予防接種を受けていませんでしたが、動物専用のワクチンが入手でき次第、段階的に接種を行っていくと同動物園が発表しています。