未発売の「仮想通貨マイニング用ビデオカード」300枚が香港で押収される

画像: YouTube(無綫7:30一小時新聞|2021年4月3日)

コロナ禍による生産数削減とリモートワークや仮想通貨マイニングの需要が高まることで、品薄状態が続いているビデオカードですが、香港で奇妙な密輸事件が発生したとのこと。しかも、密輸されたのは記事作成時点で未発売のNvidia CMP 30HXとのことです。

金銭取引以外にビットコインなどの仮想通貨を稼ぐ方法として、仮想通貨マイニングがあります。仮想通貨マイニングを行うには、PCゲーム時の画面表示処理に適したビデオカードを使用するのが効率的です。この影響で記事作成時点で価格が暴騰しているビットコインのマイニングに使用することが目的となり、世界中でビデオカードの需要が高まっています。

ビデオカードを作るメーカーとしても、このような「ドル箱」を放っておくことはできず、仮想通貨マイニングに特化したビデオカードを販売するようにもなりました。これと同時にコロナ禍における「リモートワーク用のPC需要も高まったことで、半導体生産数の低下と半導体需要の向上が同時に起こってしまいました。この結果、ビデオカードの価格が上がっています。

当然、ビデオカードの入手自体が困難な状況ではありますが、2021年4月3日に香港で不正に入手されたと思われるビデオカード300枚が中国当局に押収されました。押収されたビデオカードにはラベル等が貼られていませんでしたが、形状や特徴から未発売の「Nvidia CMP 30HX」であると見られています。

このビデオカードは2021年2月にNvidiaより発表されたものですが、記事作成時点で販売されておらず入手することはできません。性能自体はPCゲーム用としては比較的性能の低い部類に入り、「NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER」相当に該当します。しかし、同ビデオカードは記事作成時点で723ドル(約8万円)程度の価格が付けられています。

誰が何の目的で密輸行為を行ったのかはわかっていませんが、中国当局はビデオカードを運んでいた漁船の船長を拘束して、取り調べを行っているとのことです。