「悪質?適切?」AppleのApp Storeの営業利益率が78%であることが指摘される

Epic Gamesが提供しているゲームがApp Storeから「規約違反」として削除された問題で2社は係争中です。この訴訟の最大の問題点として挙げられているのはAppleがアプリの売上から30%ものマージン(手数料)を取っていること。Epic Gamesは「Appleの提示しているマージン率は不適切」だとして、同社の内部実態を批判しています。この裁判中にEpic GamesはAppleの不適切な経営実態を示すため、App Storeの2019年の営業利益率が78%を超えていることを指摘したとのことです。

この裁判はEpic Gamesが開発した人気のオンラインゲーム「フォートナイト」はAndroid、PS4、PC向けに提供されており、もちろんApple製品のユーザーでも遊べるようにApp Storeでも提供されていました。しかし、App StoreやGoogle Playのマージン率が高く、アプリ内の課金を設定すると、スマートフォンなどの携帯端末で遊んでいるユーザーだけ「異常に高い金額」を請求する必要があったため、適切な金額にすることを目的に、Epic Gamesはアプリ内に独自のストアを作り、そこで課金させる方式に変更しました。

Google PlayではAmazonやKindleアプリの例があるように、独自のストアを持っていても大きな問題はありません。しかし、App Storeの場合は「アプリ内での購入はすべてApp Store経由にしないといけない」という規約があり、Appleは「フォートナイト」のアプリを規約違反として削除しました。この対応に怒りをあらわにしたEpic Gamesは「Appleの対応は不適切だ」としてAppleを相手に裁判を起こしています。

この裁判の中、Epic Gamesは「リークされたAppleの社内文書」を基にAppStoreの経営実態を証言しました。この内容によると、Appleは2019年にApp Storeだけで78%の営業利益率を記録したとして、経営としては不適切とも言える利益を出していたことを指摘しています。

この証言に対し、Appleの幹部の1人は「当社はApp Storeのような個々のユニット毎に損益計算を行っていない」として、Epic Gamesが手に入れたとされる内部文書の存在を否定しました。Appleの反論では「Appleが持つApp Storeの収益情報には『経費』が含まれることはない」とのことで、Epic Gamesの出した営業利益には「経費」が正しく引かれていないため、異常に高い営業利益率になっていると説明しています。

実際、どちらの意見が正しいのかはわかりませんが、この裁判でAppleの「これまで見えてこなかった実態」も見えてくると思うので、今後の顛末は要注目です。

ペンギン議長の一言
普通、各部門の収益動向から将来的な経営プランを考える必要があるので、各ユニット(App Store等)毎の損益計算はしっかりやると思うんですけどね。

Appleがこんなガバガバな経営を本当にしているのだとしたら、将来的にゼネラル・モーターズみたいに倒産する可能性もありそうですが……