「お国のために働きなさい」と北朝鮮が孤児を「炭鉱送り」にしていることが明らかに

親を失い、北朝鮮の孤児院で育てられた子どもたちが「今まで育ててくれたお礼に労働力を提供したい」として、炭鉱や農場で無償労働させられていることが明らかになりました。しかし、北朝鮮は「あくまでも本人の意思で無償労働している」として、強制労働の事実は否定しています。

BBCは以前、脱北者に対してインタビューしたことがあり、北朝鮮の炭鉱は「命に関わるような事故」が頻発し、食事も満足に摂れず、長時間に渡る過酷な労働を強いられるなど、労働環境が非常に劣悪であることが明らかになっています。

今回、この事実を報じた北朝鮮中央通信社によると、約150人の子どもたちが「青春を謳歌してきた知恵と勇気をもって、国の奉仕のために立ち上がった」として、2021年5月26日に北朝鮮の東海(トンヘ)と西海(ソヘ)にある孤児院で労働奉仕を行う子どもたちを祝う式典が行われたとのことです。

この式典に参加した子どもたちはすでに炭鉱や農場などで働くことが決まっており、この式典を追えた後はその足で炭鉱に向かうそうです。実際に北朝鮮の党機関紙である「労働新聞」や「民主朝鮮」などでは、この式典の写真が掲載されており、花輪を首にかけた中学生くらいの子どもたちが炭鉱や農場に向かう姿が掲載されています。

国連や人権団体はこれまで、北朝鮮で国家ぐるみの児童労働が行われていると非難していますが、北朝鮮の「子どもたちの同意を得ているから問題ない」との言い分は今後も多くの波紋を呼びそうです。

ペンギン議長の一言
子どもたちから「同意を得た」というのはおそらく本当のことだと思いますが、子どもたちには別の選択肢が用意されていたんですかね。(炭鉱に行くのが当然というような風潮があったようにしか感じられません)