人のように笑顔を作ったり、眉毛を上げたり、にっこり笑ったりする表情を真似ることのできるロボット「Eva」をコロンビア大学の機械工学科の研究チームが開発しました。このロボットにはAIが搭載されており、記事作成時点のロボット工学の分野で行われた研究を過去のものにするほど柔軟な表情を模倣できるとのことです。
- Facially expressive humanoid robotic face - ScienceDirect
- Smile Like You Mean It: Driving Animatronic Robotic Face with Learned Models
- Scientists Develop Open-Source AI Humanoid Head Eva That Uses Facial Expressions to Communicate Like Humans | Technology News
2000年代になるといくつかのヒューマノイドロボットが開発されていますが、感情に関する機能はほとんど制限されてきたのが実情でした。また、感情表現のできるロボットは非常に高価ということもあり、研究者の数も少なかったようです。
今回開発された「Eva」はそのような現状を打破することも目的とされており、研究チームは他の研究者に比較的安価にロボットを提供するため、オープンソースという形で機能部分を公開するとしています。またEvaは安価なRaspberry Piで動作し、Python等のプログラム言語を使ってプログラミングすることも可能です。
Evaは大人の人間の顔を模したロボットですが、25個の筋肉を使って、ありとあらゆる表情を模倣することができます。動作の仕組みは単純で、表情を模倣したい人間の顔をカメラで撮影すると、Evaはディープラーニングを用いて表情を解析し、ロボットの皮膚内に埋め込まれたケーブルとモーターが様々な部分を引っ張ることで、顔の表情を再現します。
画像: YouTube(Boyuan Chen)
記事作成時点でEvaは全ての感情表現を表情だけで表すことができないようですが、「喜び」「驚き」といった1つ1つの表情以外にも、2つを混ぜ合わせて「喜んで驚いた」という表情も作り上げることが可能です。複合的な感情表現を表すことができることから、再現可能な表情の数は思いの外多いようです。
実際にEvaが動作している様子はYouTubeのBoyuan Chenチャンネルで公開しているムービーで確認することができます。