中国がスマホゲームに「深夜パトロール機能」を搭載、顔認証により「子どもの深夜プレイ」を阻止する狙い

中国のゲーム大手であるTencentが「深夜パトロール機能」を同社のスマートフォン向けゲームタイトルに導入しました。同機能は顔認証機能を活用したものであり、子どもが22:00~8:00までの間のゲームプレイを防ぐ目的で実装されたとのことです。

中国でゲームプレイをするユーザーは「国のデータベース」に登録された自身のID番号(日本でのマイナンバー)を設定することが義務づけられています。このIDが子どものものあれば、課金額に上限が設けられたり、プレイ可能な時間に制限が加えられたりされるそうです。

しかし、ゲームを長時間プレイしたい子どもたちにとっては「この制限を回避したい」と考えるもので、成人している家族のIDなどを設定することで制限を回避しているユーザーが多いことが明らかになっています。そこで、記事作成時点ではゲームを一定時間プレイしたユーザーは「自身が成人である」ことを証明するため、顔認識を用いた「成人判定」を受ける必要があるとのことです。

この顔認識はスマートフォンのフロントカメラを用いるものであり、USB接続の外部カメラ等が必要なPCやゲーム機よりも簡単に実現が可能です。このため、顔認証を用いた年齢認証については「成人向けコンテンツのオンライン販売」等での使用で使えないか議論がされていました。

Tencentは自社で開発した「深夜パトロール機能」はテスト段階ではありますが、2018年から始めていることもあって、今後は60タイトル以上のゲームに採用すると発表しています。中国ではゲームによって、近視になる子どもが増えるなど、若年層の人々に悪影響を与えることが指摘されていることから、中国当局としてもこの機能の導入を進めていく可能性があります。

今後はもしかすると、Tencent製以外の中国メーカーのスマートフォンゲームでも同様の機能が採用されるようになるのかもしれません。

ペンギン議長の一言
世界的にも「ゲーム依存症」は問題視されているため、今後はこの流れが世界的に来るかもしれませんね。中国製ゲームと言えば「原神」が有名ですが、このゲームで「深夜パトロール機能」が全世界で導入されるようになると困るユーザーも多くなりそうですね。かなり先のことになりそうですが……