「エミュレータを使わずに」PlayStation 2を力技でポータブル化した猛者が登場

画像: YouTube(GingerOfOz)

PlayStation 2(PS2)と言えば、記事作成時点で1億5500万台売り上げたことで「史上最も売れたゲーム機」として知られています。しかし、PS2はディスプレイに接続して遊ぶ「テレビゲーム」であり、携帯することができない問題点があります。そんな中、YouTuberのGingerOfOz氏がPS2を実機の基板を用いてポータブルゲーム機に改造したとのことです。

一般的に過去のテレビゲーム用のゲーム機をポータブル化する場合は性能の良いプロセッサを搭載した小型のマシンにエミュレータと呼ばれるゲーム機の動作を模倣するソフトウェアをインストールして、ゲームソフトを実行する例が多くあります。しかし、GingerOfOz氏はPS2の基板をそのまま使用することで、ゲーム機そのものを小型にすることに成功させました。

GingerOfOz氏は「過去にPS2のポータブル化を試みたGmanModz氏のアイデアを参考にした」と語っており、GmanModz氏が考案した「PS2の内部基板を動作に支障が出ないようにうまくカットするノウハウ」を元に切り取った基板とその他のパーツを3Dプリントした小さなケースに収納。そして、ケース内にはゲームコントローラーやスピーカー、バッテリー、ヘッドフォンジャック、液晶ディスプレイ等の部品も組み込み、同氏が命名した「PS2 Eclipse」を作成しました。

画像: YouTube(GingerOfOz)

しかし、「PS2 Eclipse」は消費電力の関係上、DVDドライブが組み込まれていません。このため、PS2 Eclipse上で動作させるためのゲームソフトは全てUSBストレージに保存されているのですが、PS2はUSB 1.1にしか対応しておらず、ロード速度が遅いという問題があります。実際、グランド・セフト・オートIIIのようなゲームでは読み込みに1分近くかかることもあるようです。

なお、PS2 Eclipseは1回の充電で約2時間30分ほどゲームをプレイすることができるとのこと。時間自体は短く感じますが、現代の携帯用端末のために消費電力量を小さくした部品を使っていないものとしては十分な時間ともいえます。しかし、GingerOfOz氏はあくまでも動画ネタのためだけに「PS2 Eclipse」を作成したようなので、販売はされていません。しかし、同氏がどのようにして作ったかはブログで公開しているため、試してみたいと思う人は自分で試してみるのも良いかと思います。

実際にPS2 Eclipseが動作している映像はGingerOfOz氏がYouTubeで公開しているムービーで確認することができます。