テントで就寝中の女性がクマに襲われて死亡、専門家は「クマが本能的に襲ったとは考えられない」と語る

2021年7月6日の早朝にアメリカのモンタナ州西部でキャンプ中の女性がグリズリー(アメリカヒグマ)に襲われ死亡するという事件が発生しました。地元当局は記事作成時点においても、女性を襲ったグリズリーを捜索しているとのことです。

死亡したのはカリフォルニア州に住むリア・ローカンさん(65歳)で、彼女とその友人ら含む3名は自転車でモンタナ州の州都ヘレナから北西に約112キロメートル離れたオバンドーの町付近でキャンプを行い、就寝中に事件が発生しました。

午前3時30分頃に異変に気付いたキャンプ仲間がテントの外に出ると、野生のグリズリーが就寝中のローカンさんをテントから引きずり出して襲っていることを目撃。仲間は荷物からクマ撃退スプレーを取り出し、なんとかクマを追い払うことに成功したそうです。しかし、ローカンさんは既に致命傷を負っていたため、一命を取り留めることはできませんでした。

モンタナ・フィッシュ・ワイルドライフ&パークス(FWP)の発表によると、ローカンさんを襲ったグリズリーは体重181キログラムのオスである可能性が高いとのこと。FWP職員のグレッグ・レモン氏は「今回の事件はクマがとる通常の行動ではありません。通常、クマが人を襲うのは自分たちの食べ物が奪われそうになったり、コグマを守ったり、クマが人間と不意に遭遇して脅威を感じたりしたときだけで、ローカンさんのケースでは基本的に襲われることはありません」と語り、今回の事件は謎が多いとしています。

今回、事件が発生したグレイシャー国立公園はアメリカ大陸で最も多くクマが生息していることで知られていますが、この地域で人がクマに襲われる事件はほとんど起こっていません。FWPによると、過去20年間で今回の事件を除くと、2件しか発生していないそうです。