AIを利用することで人の顔を判別したり、実際にそんなことを喋っていないのに「それっぽい口の動き」を再現させたりと様々なことができるようになります。そんな中、このAIを使って、どんな古いムービーでも無理やり8K解像度の超高画質ムービーに変換したYouTubeチャンネルが登場しました。
このYouTubeチャンネルはUpscaleというチャンネルで「新旧のゲームやアニメ、映画のシーンを可能な限り最高画質で提供すること」を目的に始められたとのことです。昔のブラウン管テレビの時代やDVD全盛の時代に販売されていたゲームや映画を今の4KテレビやフルHD(1080p)テレビで見ると、古い映像の解像度が低すぎて、多くの人が「映像が汚すぎる」と感じるぐらい、見るに堪えない画質となっています。
そこで、Upscaleチャンネルでは機械学習によるAIの力を借りて、昔見た映像のクオリティを現代のディスプレイで再現することを試みています。例えば、1993年にカプコンより発売されたスーパーストリートファイターIIでは現代の映像と言っても差し支えないクオリティに仕上がっていることが確認できます。
なお、映像の良しあしを判断するのはAIなので、アニメ調のムービーなら比較的綺麗な8K化が可能です。しかし、複数のキャラクターが交差したり、映像にぼかしが入ったりなど、複雑な表現が多用されるゲームとなると、AIがどのようにアップスケーリングしたらいいか判断に迷うようになり、部分的に映像に乱れが生じるようになります。そのようなシーンが存在する2001年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたファイナルファンタジーXのムービーは以下となります。
他にも日本の漫画作品のアニメ版オープニングムービーや古いゲームや最新のゲーム映像も無理やり8K化したムービーがUpscaleで公開されており、実際にAIの力で「どんな映像が綺麗になって、どんな映像が微妙になるのか」を技術的興味でチェックしてみるのもアリだと思います。